1998年6月26日のオンエア情報です。

98年5月22日から今週回まで6回分、放送データを紛失していました。
ビデオテープにすると、3倍録画だったのでちょうど一本分になります。
来週回から99年1月いっぱいまでは連続した録画データが残っていますが、それ以降はほとんど手持ちデータが残っていません。
録画はしていたのですが、保管が適当だったので家人に処分されてしまったのでしょう。
幸いなことに、旧公式サイトが充実しているのがありがたいのと、ウェブページのアーカイブを残してくれているInternet Archiveに感謝です。

1998年6月23日付HO HOU(ホ・ホゥ)
今週のヘッドライン
・フットボールがフェスに影響を与える
・ドッジー脱退はナイジェルのわがまま?
・クリントン大統領、会見キャンセル


先週からのランキングの
  はダウン
  はアップ
 → は変化なし
N はNew Entry、R はRe-Entryです。
太文字はアーティスト名で、/ の後に曲名が続きます。
基本オンエアそのままの表記ですが、スペルミスや追記が必要そうなときはその都度調整します。
ミュージックビデオはPV(プロモーションビデオの略称)と表記します。

緑字の部分は旧公式サイトからの引用です。
日本語黒字の説明部分は自分の感想であり、翻訳ではありません。ご了承ください。

*今週は録画データがありませんので、旧公式サイトのデータを元にしています。


BEAT UK  June.26.1998 On Air 


OPENING
今週回はデータがないので、NEW REREASESコーナーと合わせて記載します。


TOP 20
20  ↓   Del Amitri / Don't Come Home Too Soon
19  ↓   The Mavericks / Dance The Night Away
18  ↓   KP & Envyi / Swing My Way
17  ↓   2Pac / Do For Love
16  ↓   Bus Stop featuring Carl Douglas / Kung Fu Fighting
15  N  Silver Sun / Too Much Too Little Too Late

ジョニー・マシスとデニス・ウィリアムスのカヴァー曲が、70sロック・ヴァージョンとなってこのシルヴァー・サンのEP、‘Too Much, Too Little, Too Late’に収録されている。
ロンドンのパワーポップバンド、シルヴァー・サンの新曲です。こちらは1978年にリリースされたジョニー・マティスとデニス・ウィリアムスによる楽曲のカバーです。元曲はアメリカで1位、英国で3位と大ヒットしたものです。
シルヴァー・サンのカバーは英国シングルチャート20位となり、バンドキャリアの中では最も高いチャートアクションになっています。
2ndアルバムNeo Waveは98年10月にリリースされます。
なおバンドは現在でも活動していたのですが、残念ながらメインヴォーカルで楽曲製作もしていたジェームス・ブロード(メガネの人)が2020年10月に癌で亡くなってしまい、以降バンドは活動していないようです。

14  N  Pulp / A Little Soul

シェフィールド出身の15年選手6人組は、チベタン・フリーダム・コンサートを含む、2年ぶりのアメリカ公演を終えたばかり。
英国のロックバンド、パルプの98年のアルバムThis Is Hardcoreからの3rdシングルです。
この曲は英国シングルチャート22位となり、惜しくもTop20を逃してしまいました。
PVはメンバーの子供時代に扮した子達がやる気のない現在のメンバーをレコーディングに向かわせる、という構成になっています。
このシングルには英国の作家チャールズ・ディケンズの小説を原作とした98年公開の映画、Great Expectations(邦題:大いなる遺産)のサントラに収録されるLike a Friendという曲が収録されています。こちらは単独でシングルカットはされませんでしたが、PVが製作されています。

13  ↓   The Tamperer featuring Maya / Feel It
12  ↓   Lutricia McNeal / Stranded
11  N  Ian Brown / Can't See Me

元ストーン・ローゼズのフロントマン=イアン・ブラウンの、3枚目のソロ・シングルとなるこの曲。プロモーション・ヴィデオは、マイアミ、メキシコ、ニューヨークで撮影され、イアン自身が監督を務めた。
イアン・ブラウンの1stアルバム、Unfinished Monkey Businessから最後のカットとなる3rdシングルです。この曲は英国シングルチャート21位になりました。
タイトルになっているCan't See Meとは何のことかというと、ストーン・ローゼズの元メンバーであるジョン・スクワイアがイアンに対し眼中にない(ように見える)ことを示しているそうです。何でもバンド解散後に遭遇した際にイアンは手を振ったが無視されたことを歌にしたようです。
この頃彼はツアーを行っているのですが、その際飛行機で暴れCAに暴言吐くなどして逮捕され、2ヶ月刑務所送りになってしまったのでした。
最近でも新型コロナワクチンに対する方針に対し反対意見を述べ政府アンチソングを作ったり、ワクチン接種済みパスポートはナチスの陰謀だとツイートするなど、自由な振る舞いをしています。流石に陰謀論ツイートは削除していたようですが、コロナ不安の世間でデマや根拠不明の噂がSNS等で広まり、更に反政府・反ワクチン・反五輪等が極まりアンチ発言する現象は他国でも見られ、この人に限ったことではないのが現状です。


ON STAGE
今週はデータがありません。


NEW RELEASES
Bernard Butler / A Change Of Heart

元スロウダイヴ、現モージェイヴ3のニール・ハルスティードをツアー・バンドのギタリストとして迎え入れたバーナードが、3枚目のソロ・シングルをリリース。
英国のギタリストであるバーナード・バトラーの1stアルバムPeople Move Onからの3rdシングルで、アルバムからの最後のカットとなります。
このシングルは英国シングルチャート45位とあまり伸びませんでした。全体的に穏やかな楽曲です。
バーナード・バトラーは実質上のソロ作品が今作と99年の2ndアルバムのみで、後はコラボやバンド、そしてプロデュース業で成功を収めています。2020年にはペット・ショップ・ボーイズの楽曲に参加していました。
2ndアルバムは99年10月にリリースされます。

Tina Arena / Whistle Down The Wind

ティナ・アリーナは先日、7月にハイド・パークで開催されるプリンセス・トラスト・コンサートへの出演依頼を、チャールズ皇太子から直々に受け取った。
オーストラリア出身の女優・シンガーソングライターであるティナ・アリーナは、オーストラリアで子役時代から活躍していることもあり、地元では有名なアーティストです。90年からソロ活動をし、現在でも女優・音楽・ミュージカル等で活躍しています。94年には歌唱力が存分に発揮されたR&BテイストのシングルChainsが英国で6位になり、国外でもヒット曲があります。
この曲は1961年の映画Whistle Down The Wind(邦題:汚れなき瞳)を元にした舞台が96年に製作され、その際舞台用に作られた英国の作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバー作曲、ジム・スタインマン作詞の楽曲です。98年には舞台のコンセプトアルバムがリリースされ、ティナ・アリーナはその中でこちらの楽曲を担当しています。
ティナ・アリーナは97年に4thアルバムIn Deepをリリースし、そちらにこの曲が収録されています。シングルカットは各国でばらつきがあり、アルバムの中から合わせると10曲のシングルがあります。英国でシングルカットされたこちらはチャート24位となっています。
アルバムはフランス語版が製作された影響もあってか、英国よりフランスでヒットしました。

Karen Ramirez / Looking For Love
ロンドン出身の27歳=カレンが、エブリシング・バット・ザ・ガールのヒット曲‘Looking For Love’をカヴァー、セカンド・シングルとしてリリースした。この曲は既にクラブ・チャートで5位内にランクインを果たしている。

Whale featuring BUS 75 / Four Big Speakers

底抜けスウェーデン・グループのウェイルが、1995年の‘Hobo Humpin' Slobo Babe’に続き、久々のニュー・シングルをリリース。この曲には、バス75のラッパー=クリームがフィーチャーされている。
スウェーデンのオルタナティブロックバンド、ホエール久々の新曲です。
95年のヒットシングルだったHobo Humpin' Slobo Babeはラップとパンクが合わさった感じでしたが、今回はフィーチャリングに BUS 75(後にAddis Black Widow名義になる)というスウェーデンのグループを擁した、ビッグビートにラップを載せた感じの楽曲です。
この曲は98年8月末にリリースされる2ndアルバムAll Disco Dance Must End In Broken Bonesからのリードシングルで、英国シングルチャート69位になっています。
流行のサウンドを取り入れているのですが、今回は控えめなチャートアクションになっています。流行ゆえにこの手のサウンドをやっているアーティストは多く、差別化が図れていなかったのかも知れません。
バンドは99年に解散し、メンバーはそれぞれ音楽プロデューサーやテレビ司会等別の道に進みました。


UK ALBUM CHART
20  Lighthouse Family / Postcards From Heaven
19  The Mavericks / Trampoline
18  Slayer / Diabolus In Musica
17  Shed Seven / Let It Ride
16  Morcheeba / Big Calm
15  Brandy / Never Say Never
14  James / The Best Of
13  Massive Attack / Mezzanine
12  The Verve / Urban Hymns
11  The Smashing Pumpkins / Adore

10  All Saints / All Saints
  9  Madonna / Ray Of Light
  8  Catatonia / International Velvet
  7  Boyzone / Where We Belong
  6  Robbie Williams / Life Thru A Lens
  5  Rod Stewart / When We Were The New Boys
  4  Simply Red / Blue
  3  Natalie Imbruglia / Left Of The Middle
  2  The Corrs / Talk On Corners
  1  Embrace / The Good Will Out


REQUEST
今週はデータがありません。


SPECIALIST CHART
UK R&B SINGLE CHART
1  Des'ree / Life
2  Brandy & Monica / The Boy Is Mine
3  Mariah Carey / My All
4  Lutricia McNeal / Stranded
5  All Saints / Under The Bridge


ONES TO WATCH
Pras featuring Ol'Dirty Basterd & MAYA / Ghetto Superstar
フージーズのPras、ウータン・クランのOl'DirtyとMayaが組んで、このケニー・ロジャースとドリー・パートンの‘Island In The Stream’をベースにした曲をリリース。

Imajin / Shorty You Keep Playin' (With My Mind)
この曲が、ジャマール、ジョン、オラミド、タリブのティーンエイジャー4人組=イマジンのデビュー・シングルとなる。彼らはジャクソン・ファイヴとニュー・エディションに影響を受けているとか。

Scott 4 / Your Kingdom To Dust

スコット4の最初のギグの時、スコット・ブリクセン、エド・タイリー、ジョン・ムーディのメンバー達は、借り物のドラム・セットとギターを担いで、公共の交通機関を乗り継いで会場に到着したとか。
96年にロンドンで結成された三人組ロックバンドのスコット4は、ブルースやカントリーミュージックをベースとし、そこにパンク要素を加えたサウンドをしています。
バンド名はアメリカのミュージシャンであるスコット・ウォーカーのアルバムタイトルが元になっていることもあり、バンド名で検索すると最初にスコット・ウォーカーのアルバムが出て来ます。
97年にデビューするとロック系雑誌を中心に評判となり、98年にはV2 Recordsと契約しています。
この曲は98年に以前いたインディーレーベルからリリースされた1stアルバム、Recorded In State LPからのシングルカットで、このアルバムは9月にV2からもリリースされます。
98年度はグラストンベリーフェスやT・イン・サ・パークに出演します。
PVは見つかりませんでした。


WORLD GIG GUIDE
EUROPE

Big Day Out Festival / Castlegar Sports Ground - Galway, Ireland  11 July
 Pulp / Beastie Boys / Garbage / Ian Brown / Cornershop
 →パルプガービッジのセットリスト

T In The Park / Balado, Nr. Kinross - Scotland, UK  11/12 July
The Prodigy / The Seahorses / Beastie Boys / Robbie Williams / Pulp / Catatonia

Billie Myers / Hannover Grand - London, UK  13 July

Greenwich & Docklands Festival / Blackheath Concert Halls - London, UK  16 July
 Asian Dub Foundation

New Order / Manchester Apollo - Manchester, UK  16 July

NORTH AMERICA
Spice Girls / Molson Amphitheater - Toronto, Ontario, Canada  11 July /
 Desert Sky Pavillion, Phoenix, USA  28 July →22 Aug
 →11日のセットリスト

Rod Stewart / Meadows Music Theater - Hartford, USA  15 July


ASIA
Mover / Shibuya On Air West, Tokyo, Japan  12 July


FEATURE
THE PRINCE'S TRUST
ザ・プリンス・トラスト

プリンス・トラストは恵まれない若者達に、より多くの機会を与えるため21年前に発足し、1980年代にポップ界のビッグネームを集めたミュージック・イベントを通じて、収益をあげることを始めた。
1976年に英国のチャールズ皇太子により設立されたプリンス・トラストは、若者を支援する慈善団体で、教育、就労、起業などの支援が主な活動となっています。
団体は資金集めの一環として1982年からチャリティ音楽イベントを開催し、その中でマイケル・ジャクソンが大規模な寄付をしたこともありました。
1986~1994年はRock Gala、1996年にはMasters Of Musicという音楽イベントを行っています。
 *公式サイト訳では「プリンセス・トラスト」となっていますが、こちらでは修正しています。
 *今週回は放送データがないので、フェス映像を独自に紹介しています。紹介アーティストは索引に記載しませんので、ご了承ください。

Boyzone / Picture Of You - Live

1997年に15万を越える若者を助けたトラストは、今年7月5日に、ロンドンのハイド・パークで行われるワンデー・ミュージック・フェスティバル、「パーティー・イン・ザ・パーク」の、10万枚のチケットをソールド・アウトすることに成功した。
パーティ・イン・ザ・パークはプリンス・トラスト主催の音楽イベントで、98年度が初回で2004年まで毎年ロンドンのハイド・パークで開催されました。98年度は7月5日に開催されます。
わかりやすいタイトルのためか同名音楽イベントはラジオ局等別の主催でも行われていますが、今回はプリンス・トラスト主催イベントを紹介します。
フェスの特色としては若いポップ系アーティストが多めで、ベテランも若干参加しています。また女性アーティストが割と多く、ロック系は少ないです。ロックミュージシャンは王室批判する人がそれなりにいることもあってか、そこもラインナップに影響しているのかも知れません。
こちらはボーイゾーンのPicture Of Youで、97年に英国シングル2位になった曲です。

Natalie Imbruglia / Torn - Live

「パーティー・イン・ザ・パーク」は、ロンドンの中心で行われるミュージック・イベントではこの十年来最大で、ラインナップにはボーイゾーン、オール・セインツ、ジュリアン・レノン、ナタリー・インブルーリア、エターナル、ライオネル・リッチー、ルトリシア・マクニール、ザ・マーヴェリックス、コナー・リーヴス、シンプル・マインズ、ウルトラ・ナテらが含まれている。
この他にはゲイリー・バーロウ、シャナイア・トゥエイン、デズリー、DJアフロニック、トム・ジョーンズが参加し、コナー・リーヴスとシンプル・マインズは参加していません。
こちらはナタリー・インブルーリアのトーンです。ポップ・ロック系どちらのフェスでも彼女は引っ張りだこです。

Gary Barlow / Back For Good - Live

ガリー・バーローは、‘Back For Good’を含むソロの曲に加えて、テイク・ザット時代のクラッシックを演じることを発表している。
テイク・ザット時代に最もヒットした95年のシングルBack For Goodはゲイリーが作った楽曲で、グループ時代も彼がメインヴォーカルだったものです。
この曲は本人によるソロカバーや、ロビー・ウィリアムズがライヴでカバーしたものがリリースされています。

Julian Lennon / I Don't Wanna Know - Live

この数週間にわたり、BEAT UKでは「パーティー・イン・ザ・パーク」からの特別映像をお送りしていきますので、お楽しみに!
ジュリアン・レノンはビートルズのジョン・レノンの前妻の子で、ポール・マッカートニーが作った楽曲「ヘイ・ジュード」におけるジュードがこの方です。ティーンの頃から音楽活動をしており、98年には5thアルバムPhotograph Smileをリリースしました。
BEAT UKでは98年7月17日回にこのイベントのライヴ映像を放送します。


WEBSITE OF THE WEEK
今週はデータがありません。


TOP 10
10 ↓   Mariah Carey / My All
 9  ↓   Brandy & Monica / The Boy Is Mine
 8  N  Des'ree / Life

デス・リーが、トップに輝いたデビュー・アルバム‘Ain't Movin'’から実に4年ぶりのニュー・アルバム‘Supernatural’をリリース。このアルバムには、彼女のトレードマークとなっているフォーク・テイストの曲がふんだんに散りばめられている。
ロンドン出身のR&B系シンガーソングライター、デズリーの3rdアルバムSupernaturalが98年6月末にリリースされます。Lifeはそこからの2ndシングルとなり英国シングルチャート8位、アルバムは16位となりました。
デズリーは落ち付いた歌い方で楽曲もポップめなのですが、これにはフォークの影響もあるのでしょう。ポップな音楽性から日本でも人気が高く、99年には日本のテレビドラマで使用された影響で更にヒットすることになります。
この曲の歌詞は平凡で単純なため、後年になって最悪の歌詞と評されてしまいますが、ヒットしたからこその選定とも言えるでしょう。

 7  ↓   Mousse T vs Hot 'n' Juicy / Horny '98
 6  ↓   B*Witched / C'est La Vie
 5  N  Dario G / Carnaval De Paris

この‘Carnaval De Paris’はワールドカップのお祭り気分を盛り上げる曲調で、全出場国32ヶ国のお国柄を反映した楽器の生演奏がフィーチャーされている。
英国・チェシャ―で結成された三人組、ダリオGのワールドカップソングです。このシングルリリースの同日に、グループの1stアルバムとなるSunmachineもリリースされました。
先のデビューシングルだったSunchymeは英国シングルチャート2位、BEAT UKでは1位とヒットし、こちらも5位と大きなヒットになっています。
98年フランス・ワールドカップのイングランドチーム応援楽曲コンペにはたくさんの楽曲応募があったそうですが、イングランドにはこだわらず世界各国を応援するような感じなので、こちらはチームのコンペ参加曲ではなく、ワールドカップ自体の候補曲だったかもしれません。(そういうコンペがあったかはわからないが)
メロディ自体はアメリカのカントリー・ウエスタンの楽曲「愛しのクレメンタイン」に影響を受け、歌詞はオランダのサッカークラブチーム、FCユトレヒトのチャントが元になっているそうですが、こちらはあえて歌詞がありません。現在でもサッカーの試合でこの曲がよくチャントされるそうで、チームごとに独自の歌詞をつけているところもあるようです。
生楽器演奏については、この曲で出演した音楽番組Top Of The Popsで少し披露されています。(当てフリですが)

 4  N  Fatboy Slim / The Rockafeller Skank

ファットボーイ・スリムことノーマン・クックは現在、アメリカでのDJツアーを終え、自宅でのんびりしているところ。このツアーでは彼は、アメリカ人達に「パーティとはなんぞや!」という極意を見せつけてきた。
ファットボーイ・スリムはミュージシャン・リミキサー・DJの顔を持つノーマン・クックのソロ名義のうちの一つで、最も成功したと言っていいステージ名であります。
ファットボーイ・スリム名義は95年から始め、1stアルバムは96年にリリースされていますが、この時はまだクラブミュージックに造詣の深い方が知るだけでした。
今回のヒットはファットボーイ・スリム=ノーマン・クックという認識がリミックスヒットのおかげで広まったことも影響しているでしょう。この曲は英国シングルチャート6位になりました。
2ndアルバムYou've Come a Long Way, Baby(邦題:ロングウェイ・ベイビー!!)は98年10月にリリースされ、世界的なヒットになってゆきます。
なおこの曲はほぼサンプリングで出来ているため、どれだけヒットしても各サンプル元にロイヤリティを配分し払うことになっているゆえに、お金が自分の元に入って来ないそうです。
次週回のFEATUREコーナーではノーマン・クックが大特集されるので、更なる詳しい紹介ができるでしょう。

 3  N  Five / Got The Feelin'

‘5ive’と題された彼らのデビュー・アルバムには、ポップからR&B;、スウィング、デ・ラ・ソウル・タイプのラップ・ナンバーまで、全17曲が収録されている。
英国のボーイズグループ、ファイヴの3rdシングルです。98年6月にはグループ名を冠した1stアルバムがリリースされますが、このシングルはその直前に出たもので、アルバムリリースを盛り上げること間違いなしです。
アルバムにはタイプの違う楽曲が色々入っていますが、基本はポップなラップというのがベースにあります。
この曲は英国シングルチャート3位、アルバムは1位となり、新たなボーイズグループの中心となれるか期待したいところです。

 2  N  Fat Les / Vindaloo

この曲は、コメディアンのキース・アレン、アーティストのダミアン・ハースト、ブラーのアレックス・ジェイムスがリリースした、98年ワールドカップ・非公式応援歌。
ファット・ラスは英国のグループで、上記三人によってこの曲でデビューしたグループです。
楽曲はサッカーワールドカップ・フランス大会の応援パロディで、歌詞・曲・PVまでパロディ尽くしのお祭りソングです。英国シングルチャートは2位になりました。
曲はサッカー応援チャントを元にブラーのベーシストのアレックスと、ミュージシャンでコメディアンでもあるガイ・プラットが製作し、無意味にさえ思える歌詞はキース・アレンが作っています。
PVはヴァーヴのビター・スウィート・シンフォニーのパロディで、あちらのPVと同じ場所で撮影し、リチャード・アシュクロフトに扮したコメディアンのポール・ケイが通りを人とぶつかり…いや、ぶつけられたり転んだりしながらすれ違う人々を引き連れて進みます。
そもそもヴィンダルーとはポルトガル起源のインド・ゴアご当地カレーの名前ですが、これをタイトルにしたのはサッカーを見てカレー食べるという文化があるという話や、キース・アレンがBBCの番組で討論した際インド系パネラーに「ヴィンダルー野郎」みたいに言って問題になったことを自虐ネタにしたとか、色々あるようです。
メンバーのキース・アレンは英国のシンガーであるリリー・アレンの父で、当時ローティーンだったリリー・アレンもこの曲のコーラスで参加したり、PVに出演していたようです。PVで彼女はどこにいるのでしょうか、最初にぶつかる二人組の左の子かな…?

*追記
0:58のところで出て来る、黒髪で頭に眼鏡載せてる女の子がリリー・アレンのようです。情報ありがとうございました!


ON STAGE
今週はデータがありません。


NO.1
           N        Baddiel, Skinner, Lightning Seeds / Three Lions '98

名実共に96年のユーロカップ・イングランド応援歌となったこの曲が、98年フランス・ワールドカップのために最新ヴァージョンとして再録・再リリースされた。
98年はワールドカップ・フランス大会開催にあたり、英国では関連曲が多数製作されました。大会ソング、チーム応援ソング、企業のテーマソング、パロディソング等色々BEAT UKでも紹介されましたが、98年のサッカーソング群で最も高位置につけたのはこちらでした。
この曲は96年度のユーロカップでイングランド公式応援ソングとしてチャート1位となった曲を焼き直したもので、サッカー番組の司会者デイヴィッド・バディエルとフランク・スキナーが参加し、ライトニング・シーズのイアン・ブロウディが作曲したものです。
96年版とは歌詞が一部変わっているので、たぶんイングランドチーム公式応援ソングのコンペにも出したと思われますが、選ばれたのはスパイス・ガールズが参加した(How Does It Feel to Be) On Top of the Worldでした。しかしチャートではスリー・ライオンズが1位になり、更にはパロディソングのヴィンダルーが2位と、最高9位のイングランドチーム公式曲の存在が薄くなってしまったのでした。
PVでは、96年度ユーロカップの準決勝においてイングランドがPKで負けた相手、ドイツへの執念が感じられます。
この曲は後に何度も大きなサッカー大会があると新たに製作され、2018年度のワールドカップ時にもチャート1位になるなど、定番の英国サッカーアンセムソングになっていったのです。



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