1998年5月15日のオンエア情報です。

先日、ダフトパンク解散のニュースが飛び込んできました。
コメント欄で教えていただきまして、その節はありがとうございました。
解散というかもはや「爆散」映像にはちょっと笑っちゃいましたが、日本の夕方のニュースでも報じられたのには驚きました。



1998年5月12日付HO HOU(ホ・ホゥ)
今週のヘッドライン
・レディング・フェスティバルのチケット取得方法
・夏はファットボーイ・スリムで躍りまくれ!
・レッチリにジョン・フルシアンテが復帰


先週からのランキングの
  はダウン
  はアップ
 → は変化なし
N はNew Entry、R はRe-Entryです。
太文字はアーティスト名で、/ の後に曲名が続きます。
基本オンエアそのままの表記ですが、スペルミスや追記が必要そうなときはその都度調整します。
ミュージックビデオはPV(プロモーションビデオの略称)と表記します。

英語テロップはBEAT UKの放送から引用しています。
緑字の部分は旧公式サイトからの引用です。
日本語黒字の説明部分は自分の感想であり、翻訳ではありません…が、時々適当に訳してることもあり、その際は斜体青文字で表記しています。ご了承ください。


BEAT UK  May.15.1998 On Air 
Voice / Neil Fox

OPENING
Aqua / Turn Back Time
This track is taken from the movie soundtrack of 'Sliding Doors' featuring Gwyneth Paltrow and John Hannah.
この曲は、ギネス・パルトロウとジョン・ハンナをフィーチャーした映画、『Sliding Doors』のサントラに収録されている。


TOP 20
20  ↓  The Dandy Warhols / Not If You Were The Last Junkie On Earth
19  ↓  Ultra Nate / Found A Cure
18  ↓   K-Ci & JoJo / All My Life
17  ↓   LeAnn Rimes / How Do I Live
16  ↓   Busta Rhymes / Turn It Up (Fire It Up remix)
15  N  Jungle Brothers / Jungle Brother

Originally released in November last year with a Stereo MC's mix, tis latest version comes courtesy of Aphrodite and Mickey Finn a.k.a. Urban Takeover.
この曲は元々、昨年の11月にステレオMCのリミックスをフィーチャーしてリリースされた。この最新ヴァージョンには、アフロディーテとアーバン・テイクオーヴァーことミッキー・フィンが友情参加している。
ジャングル・ブラザーズはアメリカのヒップホップグループで、オールドスクールやルーツミュージック的な扱いのアーティストです。特に英国での人気が高く、クラブ系大型イベントにもよく登場しています。
これまでにこの曲は2度BEAT UKで紹介されていましたがとうとうTop20入りし、英国シングルチャート18位になりました。
前回は93年以降新作が出ていないステレオMC'sのミックスでしたが、今回はテロップにあるようにアフロディーテ&ミッキー・フィン(アーバン・テイクオーヴァー名義でもある)というDJプロデューサー二人組をフィーチャリングしてリリースされています。
ジャングル・ブラザーズは98年の夏フェスにいくつか登場する予定がありますが、ダンス系フェスがいくつか中止になってしまいました。

14  ↓   Savage Garden / Truly Madly Deeply
13  ↓   Run DMC vs Jason Nevins / It's Like That
12 →  The Mavericks / Dance The Night Away
11  ↓   Boyzone / All That I Need


ON STAGE
Lynden David Hall / Do I Qualify?
リンデン・ホールの客なしステージです。同じ映像は発見できませんでした。


NEW RELEASES
Lenny Kravitz / If You Can't Say No

'Black Velveteen', Lenny's fifth album, is due out this month and features the man himself on all instruments!
レニーの5枚目のアルバム‘Black Velveteen’が今月リリースされるが、このアルバムで彼は全ての楽器を担当しているとか!
アメリカのロックミュージシャン、レニー・クラヴィッツの新曲です。
98年5月にリリースされる5thアルバム「5」からの先行1stシングルです。テロップには別のタイトルになっているようですが、この曲名Black Velveteenもアルバムに収録されていて、99年にシングルカットされます。
このシングルは今までのギターサウンドのイメージとは違い、トリップホップ的テイストを入れています。PVも曲に合わせ凝っていて面白いのですが、結局このアルバムからのヒットシングルはFly Awayだったので、リスナーは彼に新機軸ではなく従来のギターサウンドを求めているようです。
とはいえ彼は他アーティストに楽曲提供をする際には、自分の色を押し出すのではなく提供者に合わせた楽曲を仕上げてくるので、元々音楽性の幅は広いアーティストなのです。

Air / Kelly Watch The Stars
Air's Jean Benoit has described their songs as "like a walk in the countryside" while Nicolas claims they are "Alive like little creatures"!
エールのJBは、彼らの曲を「田舎道を歩いているような感じ」と形容している。一方のニコラスは、「まるで小さな生き物のように息をしてるんだ」と説明しているらしい。

Cleopatra / Life Ain't Easy
This is the second single from the Mancunian sisters who are currently on a promotional tour of te US after being signed to Madonna's Maverick label!
この曲が、マンチェスター出身の姉妹、クレオパトラの2枚目のシングルとなる。彼女達はマドンナのマーヴェリック・レーベルと契約した縁で、現在アメリカをプロモーション・ツアー中!


UK ALBUM CHART
アルバムタイトルの後の(カッコ内)は、放送されたPVです。
20  Finley Quaye / Maverick a Strike
19  Morcheeba / Big Calm
18  Celine Dion / Let's Talk About Love
17  George Martin (Various Artists) / In My Life
16  The Corrs / Talk On Corners
15  Pulp / This Is Hardcore
14  The Bluetones / Return To The Last Chance Saloon
13  George Benson / Essentials...The Very Best Of
12  Ultra Nate / Situation:Critical  (Free)
11  The Mavericks / Trampoline

10  Savage Garden / Savage Garden
  9  Radiohead / OK Computer
  8  Jimmy Page & Robert Plant / Walking Into Clarksdale
  7  The Verve / Urban Hymns
  6  All Saints / All Saints
  5  James / The Best Of
  4  Madonna / Ray Of Light
  3  Robbie Williams / Life Thru A Lens
  2  Catatonia / International Velvet
  1  Massive Attack / Mezzanine  (Risingson)


REQUEST
The Charlatans / Jesus Hairdo

英国・マンチェスターのロックバンドであるシャーラタンズは、マッドチェスタームーブメントの中1990年にデビューし、現在でも活動を続ける人気グループであり続けています。
マッドチェスターサウンドの代表格といえるインスパイラル・カーペッツやストーン・ローゼズの影響を受け、ブリットポップが流行した辺りからの音楽性がオアシスと似ていることから、「シャーラタンズの方が先だから」などと牽制する音楽通もいます。
この曲は94年の3rdアルバムUp to Our Hipsからの3rdシングルで、シングル48位でした。97年にリリースされた初のベストアルバムMelting Potにも収録されています。
このアルバムはマッドチェスタームーブメントが終焉を迎えたことで2ndアルバムが不振だったため、音楽性の転換を模索していた時期に製作されました。マッドチェスターではダンサブルなリズムやメロディが重視されていましたが、このアルバム辺りからヴォーカル重視に向かっていったのです。
それとこのアルバム制作のレコーディングのさなか、キーボードのロブ・コリンズが友人の窃盗の逃走を助けたとして逮捕され刑務所送りが決まり、収監されるまでの期間でロブの分を録音する忙しいスケジュールになってしまいました。
そのロブは96年に交通事故で他界してしまい、5thアルバムが大ヒットする中バンドは更なる苦境を経験することになります。


SPECIALIST CHART
UK COMPILATION ALBUM CHART
1  Various Artists / Now That's What I Call Music! 39
2  Various Artists / Club Hits '98
Various Artists / Kiss Garage  (Another Level featuring Jay-Z / Be Alone No More)
4  Various Artists / The Best...Anthems In The World...Ever! 2
5  Various Artists / New Hits '98


ONES TO WATCH
The Delgados / Pull The wires from The Wall

The Delgados are presently on a tour of the UK which will culminate with a show at London's Royal Festival Hall & a performance at the Phoenix Festival.
デルガドスは現在UKツアーの真っ最中だが、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのショウと、フェニックス・フェスティヴァルへの出演でこのツアーはクライマックスを迎える。
スコットランドのインディーレーベル、ケミカル・アンダーグラウンドの主宰ロックバンド、デルガドスの2ndアルバムPelotonからの2ndシングルです。この曲は英国シングルチャート69位となっています。
この頃英国の有名ラジオDJジョン・ピールはデルガドスをプッシュしていました。ジョン・ピールは自身の番組で気に入った最先端の音楽を紹介した人で、おそらくデルガドスの曲は頻繁にラジオでかかっていたと思います。
ブリットポップの次のロックとして、フォークテイストやトリップホップの影響を受けた抑え目サウンドが最先端だった時代ですが、こういう系で大ヒットするのはレディオヘッドなどごく少ないです。デルガドスはヒット狙うとか関係なく、自分の運営するレーベルで自由に活動できる余裕があるからこその最先端なのでしょう。
元々楽曲センスはいいバンドなので、後にメディアで使用されたりするなど音楽通好みのバンドなのかもしれません。

Grandaddy / Summer Here Kids

Hailing from Modesto California Grandaddy are Jason Lytle, Jim Fairchild, Aeron Burtch, Tim Dryden and Kevin Garcia.
カリフォルニアはメデストからやってきたグランダディは、ジャイソン・リトル、ジム・フェアチャイルド、アーロン・バーチ、ティム・ドライデン、ケヴィン・ガルシアの5人組。
アメリカ・カリフォルニアのバンド、グランダディは92年に結成された5人組ロックバンドです。
サウンドはポップなメロディをローファイなロックにした感じに加え、シンセも入っているのでサイケデリックさもあります。
グランダディは97年にヴァージングループの創始者リチャード・ブランソンが作ったV2 RecordsのサブレーベルBig Catと契約し、97年10月に1stアルバムUnder the Western Freewayをリリースしました。この曲は98年5月リリースの3rdシングルになり、英国シングルチャート88位になっています。
バンドは2006年に解散していましたが、2012年に再結成しました。しかしベーシストのケヴィンが2017年に病気で亡くなったため、現在は4人で活動をしています。

Bell Book And Candle / Rescue Me

Having Already gained massive success in Europe and their native East Germany, 'Rescue Me' is the UK debut from Jana, Andy and Hendrik.
地元東ドイツとヨーロッパでの大成功を収めたベル・ブック・アンド・キャンドルことジェイナ、アンディ、ヘンドリックの3人組が、いよいよこの‘Rescue Me’でUKデビューを飾る。
ベル・ブック&キャンドルはドイツ・ベルリンで94年に結成されたロックバンドで、ポップめなロックサウンドを基調としています。
97年にリリースされている1stアルバムRead My Signに収録されているこちらはバンドのデビューシングルで、ドイツや周辺国では97年のヒットソングとなり、98年に英国デビューとなりました。
残念ながら英国では大きなヒットにはならず、シングルチャート63位止まりでした。曲調がケルトミュージック的ということもありましたが、本場に近いところではいまいち通用しなかったのかも知れません。
バンドは2005年で一度解散しているようですが、2014年に再結成し2018年には久々にアルバムをリリースしています。


WORLD GIG GUIDE
EUROPE
Lou Reed / Paradiso - Amsterdam, Holland  31 May
Janet Jackson / Telewest Arena - Newcastle, UK  30 May /
 NYNEX Arena - Manchester, UK  31 May /
 Scottish Exhibition - Glasgow, UK  3 June /
 Arena - Sheffield, UK  4 June /
 Wembley Arena - London, UK  6/7 June
 →各日セットリスト、3日4日7日

NORTH AMERICA
Gene / Richard's On Ricards - Vancouver, Canada  30 May /
 Moe - Seattle, USA  31 May

ASIA
Kraftwerk / Blitz - Tokyo, Japan  2/3/4 June


FEATURE
UK SUMMER FESTIVAL (PART TWO)
1998年度・英国夏フェス特集パート2

The latest festival news is that 'Universe', the 2 day dance event which was to feature Spiritualized, Beck and Roni Size/Reprazent on May 23rd and 24th has been postponed until August...
フェスティバルの最新ニュースは 'Universe'。5月23、24日に行われる予定だった、スピリチュアライズド、ベック、ロニ・サイズ/レプラゼントをフィーチャーしたこのイベントは、8月まで延期となった。

1998年は全体的に音楽フェスの不振が目立った年になりました。
大きな理由は、6月に開催されたワールドカップ・フランス大会に客を取られたことにあるようです。
他にも競合フェス数の増加、新たな若手スター不在によるCD売り上げ不振(音楽業界はCD売って儲けを出すのが主流の時代だった)、初夏の天候不順も理由として挙げられています。
そのような中フェスの開催はされたものの、チケットが売れ残ってしまったものもいくつかあり、来年以降の運営が困難になったフェスも出ています。

また上記テロップのクラブ系イベント、ユニバースは他にも複数のイベントを予定していましたが、チケット売り上げ不振のため中止になりました。
また同オーナー主宰による合法レイヴイベントのトライバル・ギャザリングは、イベント運営会社Mean Fiddlerとイベント名を巡り裁判沙汰にまで発展(後に示談)してしまう事態になっていました。
このような状況から大手音楽誌NMEは「ロックは死んだのか」という記事を出し、音楽業界をざわつかせることにもなるのでした。

*注釈
Mean Fiddlerは「ギグのゴッドファーザー」と呼ばれる興行主ヴィンス・パワーが率いる会社で、レディング、フェニックス、トライバル・ギャザリングにフラー等大型フェスや、コンサート会場等の運営を行っています。
BEAT UKが毎回ON STAGEコーナーの撮影に使う、ロンドンのライヴ会場「Astoria Theatre(アストリア・シアター)」もここの持ち物です。(現在は閉店)

今回も今後番組では放送されなさそうなフェス映像を、独自に紹介してゆきます。


PHOENIX FEATIVAL 1998  -  中止
16th/17th/18th/19th July   Long Marston - Stratford-Upon-Avon

While this year's Phoenix festival will feature 5 main music stages and DJ's from the Wall Of Sound, Skint and Ninja Tunes labels.
今年のフェニックス・フェスティバルは、5つのメイン・ステージと、ウォール・オブ・サウンド、スキント、ニンジャ・チューンズ各レーベルのDJをフィーチャーする。

BEAT UKで毎年のようにカメラを入れていたフェニックス・フェスティバルは、1993~1997年まで開催されたロックフェスです。
…1997年まで??
ということで、この時点ではまだチケットを売っていましたが、98年度は売り上げ不振のためやむなく中止となり、以降フェスは復活することはなく97年度が最後の開催となります。
ラインナップは他のロックフェスに比べても遜色ないのですが、音楽以外の催しが少ないことと、飛行場跡地で行うために寒暖差が大きい問題、あとはワールドカップ開催のため6月中にお祭り気分が一段落し、音楽フェス全体が低調だったことがあるようです。
フェニックスフェスの他にも、この年は大きめの音楽イベントがいくつか中止になっています。

New Order / Regret

バンドはメンバーが各々ソロや別プロジェクトを始めるたび解散の噂が出ますが、あくまでニュー・オーダーという大看板を下ろす気はないようです。メンバーは一部変わりますが2021年現在でも活動を継続し、新曲も出しています。
今回のフェス出演は再始動の意味合いが大きい重要なものでしたが、中止になってしまいました。しかし…

Line Up
出演アーティスト

Asian Dub Foundation
Bentley Rhythm Ace
Bluetones
Carleen Anderson
Courtney Pine
Dodgy
Echo & The Bunnymen
Gang Starr
Kenickie
Lionrock
Lo-Fidelity Allstars
Moby
New Order
Ocean Colour Scene
The Prodigy
Roni Size/Reprazent
Six By Seven
Sonic Youth
Spiritualized
Terry Callier
Therapy?
Tortoise
Travis
+ many more

98年度の初日は前夜祭的で、メインステージは3日間のみの予定で組まれています。
メインステージのヘッドライナーは、初日はなし、2日目オーシャン・カラー・シーン、3日目ニュー・オーダー、最終日プロディジーの予定でした。
フェスは中止ですが、実はフェニックスフェスはレディングフェスと同じMean Fiddlerの運営だったこともあって、ニュー・オーダーとプロディジーはレディングへの出演が決まり、チケットは払い戻しかレディングフェスとの交換に対応したそうです。このおかげでレディングは盛況でしたが、キャパシティが限界を迎えてしまいます。


PULP LIVE SHOW
25th July  Finsbury Park - London

Pulp will headline their own one day, open-air festival this July at London's Finsbury Park. Watch this space for details of support bands / DJ's.
パルプはロンドンのフィンズベリー・パークでの、自らのワンデイ、オープンエアー・フェスティバルのトリをとる。これから発表されるサポート・バンドとDJの情報は引き続きこのページ(BEAT UK公式サイト各所)をチェキ!

ロックバンド・パルプ主催のイベントです。この時期フィンズベリー・パークでは毎週末何かしらのイベントが行われ楽しそうです。

Pulp / Babies

ニューアルバム、This Is Hardcoreをリリースしたパルプ。果たしてどのようなライヴを見せてくれるのか楽しみです。

Line Up
出演アーティスト
Pulp
+ more to be announced

この時点ではまだ詳しいラインナップが発表されていませんでした。
後に決定したラインナップは主宰のパルプに加え、カタトニア、バーナード・バトラー、ベントレー・リズム・エース、ウルトラサウンド、キッド・ロコ、Add N To Xの6アーティストです。


こちらは当日のステージで、コモン・ピープルの演奏です。良く聴くと観客も一緒に歌っているのがわかります。セットリスト的には直近のアルバム、This Is Hardcoreからのものが大半を占めています。


JAM IN THE PARK
16th August  Finsbury Park - London

Headlined by Jamiroquai with Finley Quaye putting in his debut UK live performance last year, 1998's am In The Park will play host to the cream of UK hip hop, R&B, Reggae and Garage.
昨年はジャミロクアイのヘッドラインに加え、フィンリー・クェイがUKライヴ・デビューを果たした、このジャム・イン・ザ・パーク。今年もUKのヒップ・ホップ、R&B;、レゲエ、ガレージ界から、おいしいラインアップをホストする。

R&B・レゲエ・ダンスミュージック等中心のフェスです。97年度が好評だったこともあって、98年度も開催の予定があります。

Lighthouse Family / Raincloud

人気R&B二人組グループ、ライトハウス・ファミリーもこのフェス出演の予定があったようです。
地味目な印象もあるグループですが、英国ではソフト路線のR&Bとして絶大な人気があります。

Line Up
出演アーティスト

Lighthouse Family
LL Cool J
Carleen Anderson
Deni Hines
+ many more

このフェスは98年に開催された記録が確認できなかったので、中止になった可能性があります。
2001年には同会場で開催されているのが確認できました。


V98
22nd/23rd  August   Hylands Park - Chelmsford & Temple Newsam, Leeds

Now in third year, V98 is a double header festival that takes place on two sites in the north and south of England at the same time with each holding a capacity of 55,000!
今年3度目を向かえるV98は、北と南イングランドの2カ所で、それぞれ5万5千人を収容して同時開催される、フェスティバルのダブル・ヘッダー!。

ヴァージン主催のロックフェスで、現在では「Vフェスティバル」と呼ばれます。98年度は3回目になり、現在でも継続して開催されています。
最初期から会場を分けて日程ごとにラインナップを入れ替える「たすき掛け開催」をしています。これはアーティストブッキング数の手間が減るのと、会場を増やすことによってイベントの規模拡大ができるメリットがあります。
この方式はキャパシティ不足解消のため翌年レディング・リーズフェスが採用し、日本のサマーソニック等様々な音楽フェスで見られる形式になりました。
今でもVフェスが安定して続いてる理由は、ユーザーフレンドリーな他フェスに比べ値段が相場より高く設定されているからです。チケットはもちろんですが、無料が当たり前のステージプログラムの冊子に金を取るとか(その分豪華なのかも?)、飲み物を持って入れない上ちょっとした飲食も高い等、商業的運営重視だからこそ継続できています。
このフェスも例外なく2020年度は中止になりましたが、代わりにオンラインイベントを行っています。

The Verve / This Is Music

ヴァーヴはVフェスティバル初登場ですが、この頃ヴァーヴはメンバーの病気や不和もあって解散寸前になっていました。
結局早くから出演決まっていた夏フェスには辛うじて出ましたが、このフェスの後すぐ解散してしまいました。


Line Up
出演アーティスト

Charlatans
Chumbawamba
Green Day
Ian Brown
Iggy Pop
James
The Jesus and Mary Chain
Lightning Seeds
PJ Harvey
Robbie Williams
Saint Etienne
Seahorses
Space
Stereophonics
Texas
Underworld
The Verve
+ many more

この時代のラインナップはロックバンドがほとんどですが、近年ではシングルチャートに登場するようなポップ系アーティストの出演が多く、ヴァージンの経営判断の潔さが感じられます。残念ながら、もはやロックで客を呼ぶ時代ではないのです…
夏フェスの競合相手が増えたことでV98では、独自性を守るため英国内で複数の夏フェスを掛け持ちするアーティストにプレッシャーをかけるほどだったそうで、例えばスペースは他フェスの出演オファーについてV98のプロモーターから苦言を呈され、後から決まった二つのうち一つは断らざるを得なかったそうです。
ヘッドライナーはチェルムスフォード会場の初日がヴァーヴ、二日目がシャーラタンズで、リーズ会場では逆になります。


こちらは23日・チェルムスフォードにおけるグリーンデイのステージです。
映像ではNice Guys Finish Last、Hitchin' a Ride、When I Come Around、Good Riddance (Time of Your Life) の4曲演奏しています。直近のアルバムであるニムロッドからの楽曲が多いようです。
ラストはGood Riddance (Time of Your Life)なのは今も変わらないことを考えると、ずっと愛されてる曲なんだなと感じます。
→グリーンデイのセットリスト、チェルムスフォード(22日)リーズ(23日)


READING FESTIVAL '98
28th/29th/30th August   Richfield Avenue - Reading

This year's Reading Festival will feature headline performance from Page & Plant, Beastie Boys, Garbage, Super Furry Animals, Travis and Spiritualized.
今年のフィーチャー・ヘッドラインは、Page & Plant、Beastie Boys、Garbage、Super Furry Animals、Travis、そしてSpiritualized。

英国で毎年8月最終週に開催される最大級・最古級の大型フェス、レディング・フェスティバルです。
BEAT UKのカメラが毎年のように入っていて、番組を通してフェスの様子を知ることができます。
年々参加数が増えていたのですが、98年度は中止になったフェニックスフェスの客が流入した結果キャパシティが限界となったので、99年度からは会場を二か所に分けラインナップのたすき掛け開催を行うことになります。
98年度は11月後半以降のON STAGEコーナーで、フェスのステージを見ることができます。

Spiritualized / Electricity

スピリチュアライズドは2番目に大きい、音楽誌メロディ・メイカーの名を冠したサブステージ最終日のヘッドライナーでした。
フロントマンのジェイソン・ピアースは多忙による疲労から体調不良になり、バンドはいくつかのライヴをキャンセルしていました。8月には体調を戻し、レディングフェスには出演することができました。

Line Up
出演アーティスト
Arab Strap
Beastie Boys
Echo & The Bunnymen
The Deftones
Foo Fighters
Garbage
Girls Vs. Boys
Grandaddy
Lee 'Scratch' Perry
Mansun
Mogwai
Page & Plant
Roni Size/Reprazent
Spiritualized
Symposium
Travis
Ultrasound
Unbelievable Truth
Yo La Tengo
+ many more

この後中止になったフェニックス・フェスティバルのヘッドライナーだった、プロディジーとニュー・オーダーの準ヘッドライナー扱いとしての追加発表があります。
ヘッドライナーは初日ジミー・ペイジ&ロバート・プラント、二日目ビースティ・ボーイズ、三日目ガービッジでした。
98年の英国の初夏は雨が多く、他フェスでは泥まみれになった所も多かったそうですが、レディングでは晴れて快適な環境だったそうです。


こちらは初日に登場したアッシュのステージから、Girl From Marsの演奏です。
上で11月以降の放送でレディングフェスの模様を見られると記載しましたが、自分の手持ちデータは99年1月までのものしかないため、この演奏はデータ上では確認できませんでした。それ以降に放送された可能性もあります。


Over the next few weeks we'll be looking at festivals taking place outside of the UK including the 3rd Tibetan Freedom Concert in Washington DC next month.
この先数週間は、来月ワシントン DCで行われる第3回 Tibetan Freedom Concertを含む、UKの外で行われるフェスティバルに焦点を当てていきます。
次週分からしばらく放送データを紛失しているので、公式サイトの情報頼りになります。


WEBSITE OF THE WEEK
映画「Godzilla」公式サイト(1998年2月当時)


TOP 10
10 ↓   Kula Shaker / Sound Of Drums   PVなし
 9  ↓   Catatonia / Road Rage
 8 →  Steps / Last thing On My Mind
 7  N  The Bluetones / If...

The Bluetones follow up 'Solomon Bites The Worm' wit If...' from their second album 'Return To The Last Chance Saloon'.
この曲は‘Solomon Bites The Worm’に続き、彼らのセカンド・アルバム‘Return To The Last Chance Saloon’からの2枚目のシングルとなる。
英国のロックバンド、ブルートーンズの2ndアルバム、Return to the Last Chance Saloonからの2ndシングルです。この曲は英国シングルチャート13位になりました。
2ndアルバムは最高10位と1stアルバムのような華々しい売れ方はしませんでした。作風が変わったわけではないので、音楽の流行が変わったというべきでしょうか。あとアルバムには収録されなかったMarblehead Johnsonを収録すればよかったのになぁ、とも思います。
あとこのアルバムから限定シングルカットされた4 Day Weekendという曲があるのですが、このPVは日本人アニメーターの森本晃司氏が監督を務めていて、PVも収録されたCD-EXTRAになっていたのでした。ケン・イシイのEXTRAのPVも森本氏でしたね。
こういったおまけ入りという形式上チャート集計されない事はわかっていたのか、通販とライヴ会場のみでの販売だったそうです。

 6  N  Queen Pen feat. Eric Williams / All My Love

Rapper, lyricist, career woman, working mother and community activist Queen Pen is found here rapping about the combined bliss and agony of first love.
ラッパーであり作詞家でありキャリア・ウーマンであり働くお母さんであり自治団体職員でもあるクイーン・ペンはこの曲に、初恋の喜びと苦さを込めている。
アメリカ・ニューヨーク出身の女性ラッパー、クィーン・ペンの98年1月リリースの1stアルバムMy Melodyからのシングルカットです。シングルは97年にリリースされていましたが、再発したのかも知れません。
彼女はテディ・ライリーのグループであるブラックストリートの曲、No Diggityの中盤でラップしてた女性で、そのテディ・ライリーが作ったレーベルLil Man Recordsの第一弾アーティストとしてこの曲でデビューしました。
アルバムにはレズビアンについての曲があることから、方々に喧嘩売ってるフォクシー・ブラウンがクィーン・ペンにも噛みつき、お互いディスり合いになってしまいました。子供がいる人にもレズビアン攻撃って容赦ないですね。今はLGBTの啓蒙活動も進み、そういった煽りをやるとすぐネットで拡散され評判を下げるので進んでやる人はいないでしょうが、まだその辺りは緩い時代だったのです。

 5  N  Garbage / Push It

Frontwoman Shirley Manson decided to go into music at the age 11 after seeing Chrissie Hynde of The Pretenders on UK music show 'Top Of The Pops'!
30歳のヴォーカリスト、シャーリー・マンソンは、11歳の時に音楽番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』でクリッシー・ハインドを観て、音楽の道に進むことを決意したとか!
アメリカのオルタナティヴロックバンド、ガービッジの新曲です。
こちらは98年5月にリリースされた2ndアルバム、Version 2.0からの先行シングルになり、英国シングルチャート9位になっています。90'sオルタナ系では定番曲のひとつと言ってもいいでしょう。
PVは色々詰め込みまくりの芸術的過ぎて意味が解らないですが、嫌いではないです。
テロップでは英国の音楽番組Top of the Popsの記述がありますが、ヴォーカルのシャーリーはスコットランド出身なので自然な流れだと思います。
プリテンダーズのクリッシー・ハインドはアメリカ人ですが英国に渡り、後にセックス・ピストルズのマネージャーになるマルコム・マクラーレンとファッションデザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドが経営するパンクファッションブティック「SEX」で働いた経験があるなど、ヒッピーやパンクの影響が濃い方です。

 4 →  The Tamperer featuring Maya / Feel It
 3  N  Massive Attack / Teardrop

'Teardrop' features vocal talents of Liz Fraser from Cocteau Twins fame and the video was directed by Walter Stern who has also worked with The Prodigy.
この‘Teardrop’には、コクトー・ツインズであまりにも有名なリズ・フレーザーがゲスト・ヴォーカルとしてフィーチャーされている。また、この曲のヴィデオは、プロディジーのヴィデオも手掛けているウォルター・スターンが監督した。
ブリストルを代表するトリップホップグループ、マッシヴ・アタックの98年4月リリースの3rdアルバム、メザニーンからの2ndシングルです。おそらくマッシヴ・アタックの曲の中では最も知られた楽曲となり、英国シングルチャート10位となっています。
ヴォーカルは元コクトー・ツインズのエリザベス・フレーザー(リズ・フレーザーとも表記される)ですが、先程調べたら以前仕事をしたことのあるマドンナにもこの曲のヴォーカルを依頼していたそうです。マドンナ版はボツになったようですが、そちらも聴いてみたいです。
胎児が歌うPVも当時から非常に評判となり、中には不気味だという意見もありましたが、とても印象的です。
後年この曲はアメリカの医療ドラマ「House(邦題:ドクター・ハウス)」のオープニングテーマ曲となり、更に知名度が上がりました。著作権の関係で日本放送版では別のオリジナル曲になっていましたが、海外ではドラマの曲としての認識もあります。

 2  N  Madonna / Ray Of Light

The 14th track on the 'Ray Of Light' album only appears on Japanese versions, being dropped from other formats due to er obsession with the number 13!
アルバム‘Ray Of Light’の14曲目は、日本盤にしか収録されていない。その他のヴァージョンには、13という数字にマドンナが固執したため、14曲目はフィーチャーされないことになったとか。
アメリカのシンガーソングライター、マドンナの98年2月リリースの7thアルバムからのタイトルトラックで、2ndシングルとなった楽曲です。英国シングルチャートでは2位、アメリカでは5位でした。
先のシングルであったフローズンとは打って変わった早いユーロダンス的な楽曲で、トランスやブリブリしたアシッドサウンドをポップミュージックに落とし込んだ意欲的なものです。ダンスサウンドとは言ってもギターも入っていて、マドンナ自身がステージでこの曲をやる時は自らギターを弾くこともあるそうです。
PVは日常生活を高速で回したもので、ダンスサウンドとの相性がとてもいいです。98年度のMTVアワードでこの曲は5つも賞を獲得しています。


ON STAGE
Catatonia / Mulder & Scully
カタトニアの客なしステージです。同じ映像は発見できませんでした。


NO.1
       N          All Saints / Under The Bridge

All Saints this week officially confirmed Mel is pregnant put did not comment on rumours that she has threatened to leave the band - watch this space!
オール・セインツは、メルが妊娠していることを公式に認めた。しかし、それを理由に彼女がグループを去るよう脅されている、という噂については否定している……続報を待て!
英国の女性ポップグループ、オール・セインツのグループ名を冠した1stアルバムからの3rdシングルです。先のシングルNever Everに続き英国シングルチャート1位になりました。
90年代のロックに詳しい方ならすぐわかると思いますが、この曲はレッド・ホット・チリ・ペッパーズの92年シングル、Under The Bridgeのカバーです。
レッチリのヴォーカル、アンソニーの孤独を歌ったアンセム的名曲を女性アイドルがカバーしたのは、当時の自分からすると驚きでした。オール・セインツバージョンでは歌詞自体は若干変わっているので趣も変わっているようですが、それにしても意外なところからカバー元選んだなぁ、というのは今でも思ってしまいます。
PVはセットとCGを使っていて、非常に金がかかっているそうです。
テロップにあるメラニー妊娠の話ですが、子供の父親はジャミロクワイのベーシスト、スチュワート・ゼンダー(スチュ)です。結局メラニーはメンバーに残りましたが、出産を控えていることもあってメディア露出は減らさざるを得ませんでした。



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