1998年5月7日のオンエア情報です。

今週回は通常の金曜ではなく、木曜の放送でした。
公式サイトでは5月8日回となっていますが、こちらでは実際の放送日で記載します。

1998年5月6日付HO HOU(ホ・ホゥ)
今週のヘッドライン
・レディング・フェスティバル情報
・グラストンベリー・フェスティバル情報
・チベタン・フリーダムに対し中国政府が非難声明


先週からのランキングの
  はダウン
  はアップ
 → は変化なし
N はNew Entry、R はRe-Entryです。
太文字はアーティスト名で、/ の後に曲名が続きます。
基本オンエアそのままの表記ですが、スペルミスや追記が必要そうなときはその都度調整します。
ミュージックビデオはPV(プロモーションビデオの略称)と表記します。

英語テロップはBEAT UKの放送から引用しています。
緑字の部分は旧公式サイトからの引用です。
日本語黒字の説明部分は自分の感想であり、翻訳ではありません…が、時々適当に訳してることもあり、その際は斜体青文字で表記しています。ご了承ください。


BEAT UK  May.07.1998 On Air 
Voice / Neil Fox

OPENING
Madonna / Ray Of Light
Continuing her work with UK based producer William Orbit, 'Ray Of Light' is the title track from latest album.
現在もイギリスのプロデューサー、ウィリアム・オービットとの活動を続けているマドンナが、彼女の最新アルバムのタイトル・トラックにもなっているこの曲をシングル・リリース。


TOP 20
20  ↓   Celine Dion / My Heart Will Go On
19  N  Lord Tariq & Peter Gunz / Deja Vu (Uptown Baby)   PVなし

'Deja Vu (Uptown Baby)' is the US rap duo's debut release and features samples from Steely Dan's 'Black Cow'.
この‘Deja Vu (Uptown Baby)’は、アメリカのラップ・デュオのデビュー・シングルとなる。また、この曲にはスティーリー・ダンの‘Black Cow’がサンプルとして使われている。
ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するラップデュオ、ロード・タリク&ピーター・ガンズのデビューシングルです。
このデュオは96年から他アーティストのフィーチャリング参加でデビューし、この曲でグループとしての単独デビューとなりました。テロップにあるように、ベースにはスティーリー・ダンの曲Black Cowが使われています。サンプル元はオープニングからフレーズが聴けるので、とてもわかりやすいです。
この曲はアメリカでシングル9位、英国で21位となりコンビの最もヒットしたものになりました。
98年6月には1stアルバムMake It Reignをリリースします。

18  ↓   Tzant / Sounds Of Wickedness
17  ↓   K-Ci & JoJo / All My Life
16  ↓   LeAnn Rimes / How Do I Live
15  N  Perpetual Motion / Keep On Dancin' (Let's Go)

Perpetual Motion are DJ/promoter Andy Manston, producer Julian Napolitano and rapper MC RAW and the track samples DOP's '95 club it 'Here I Go'.
パーペチュアル・モーションは、DJ兼プロモーターのアンディ・マンストン、プロデューサーのジュリアン・ナポリターノ、ラッパーのMC Rawからなる3人組。またこの曲には、DOPの95年のヒット、‘Here I Go’がサンプリングされている。
ロンドンを拠点に活動するパーペチュアル・モーションは、この他にも様々な名義で活動するクラブ系三人組グループです。
この曲は97年にリリースしたこの名義での1stシングルで、今回は98年には大手ダンス系のPositivaからリリースしたものが英国シングルチャート12位に入りました。
この曲からは90年代前半的テイストを感じたのですが、これはサンプル元の2曲(D.O.P. / Here I GoGrooveyard / Watch Me Now)が強く反映しているからでしょう。

14  N  Drugstore / El President

After 2 years away from the charts, Drugstore return with this duet featuring Thom from Radiohead, from their forthcoming album 'White Magic For Lovers'.
チャートから姿を消して早2年、レディオヘッドのトム・ヨークとのデュエット曲を引っ提げてドラッグストアが帰ってきた。またこの曲は、まもなく発売される彼らのニュー・アルバム、‘White Magic For Loves’からの先行シングルとなる。
ドラッグストアはブラジル人のイザベルを中心に結成された、英国のロックバンドです。
音楽性はドリームポップ的で、前作の1stアルバムはシューゲイザーの雰囲気もありました。
98年5月には2ndアルバムWhite Magic for Loversがリリースされ、この曲はそこからの2ndシングルです。レディオヘッドのトム・ヨークとのデュエット曲で、バンドキャリアでは最高位となる英国シングルチャート20位になりました。
ドラッグストアはレディオヘッドのツアーアクトを務めていたことがあるので、その縁でデュエットの実現につながったのでしょう。
曲のタイトルであるプレジデントとは、チリのサルバトール・アジェンデ元大統領を示しているそうです。

13  ↓   187 Lockdown / Kung-Fu
12  N  The Mavericks / Dance The Night Away

This is the Mavericks debut hit single in the UK which in largely due to a live performance on the UK's weekly lottery show!
これが、イギリスの人気番組「ナシャンル・ロッタリー・ライヴ(宝くじ抽選番組)」に出演して一躍注目を集めた彼らの、UK国内デビュー・シングルとなる。
マーヴェリックスはアメリカのカントリーグループです。オルタナティヴロックの影響もあるので、アメリカーナ(カントリー+オルタナロックの融合的音楽)黎明期のグループとも言えます。結成は1989年でそれなりのキャリアがあります。
この曲はマーヴェリックスがヨーロッパに進出した作品である5thアルバムTrampolineから、3月リリースのリードシングルです。
視聴率がいいために英国では音楽プロモーションとしてもよく使われる宝くじ番組への出演もあって徐々に知名度が上がり、英国シングルチャート4位までになりました。
BEAT UKではひと月半程チャートに残り続け、最終的に60万枚セールス・プラチナシングル認定までになっています。
カントリー系はアメリカが本場で根強い人気はあるものの、メインストリームや外国ではジャンル好きな人以外知ることも少ないです。しかし曲はいいものも多いので、宣伝がハマれば売れる機会も増えるいい例だと思います。

11  N  Tori Amos / Spark

Talking about the location of her medieval style wedding Tori said "I thought it had it where were trees and water then maybe the fairies would show up!".
彼女の中世風な結婚式のロケーションについて、トリは「もし木や水のある場所で結婚式を挙げたら、きっと妖精が演出してくれるんじゃないかと思ったの」と説明している。
アメリカのシンガーソングライター、トーリ・エイモスの新曲です。
この曲は98年月にリリースされた4thアルバム、From the Choirgirl Hotelの先行1stシングルで、英国シングルチャート16位となっています。
テロップには結婚式について書かれてありますが、彼女は98年2月に英国人サウンドエンジニアと結婚しているので、その時の様子のことでしょう。
PVは英国で撮影したそうで、寒い中林の中で縛られたり水に入ったりと大変な撮影だったようです。あと水中のシーンはプールでの別撮りだったそうですが、PVに使われるのはほんの少しで結構長く泳いだということです。


ON STAGE
Five / When The Lights Go Out
ボーイズグループ、ファイブの客なしステージです。同じ映像は見つかりませんでした。


NEW RELEASES
All Saints / Under The Bridge
All Saints return a double A sided cover of the Red Hot Chili Peppers' 1992 track 'Under The Bridge' and Labelle's 1975 hit 'Lady Marmalade'.
オール・セインツが、この両A面カヴァー・シングルを引っ提げて帰って来た。A面はレッド・ホット・チリ・ペッパーズの1992年の曲‘Under The Bridge’、AA面はラヴェルの1975年のヒット曲‘Lady Marmalade’のカヴァーとなっている。

Massive Attack / Teardrop
Massive Attack began their world tour last month, accompanied by a full band additional vocalists including Horace Andy and Deborah Miller.
マッシヴ・アタックは先月からワールド・ツアーを開始したが、今回のツアーは、フルのバンド・セットと、ホレース・アンディ、デボラ・ミラーの2人のゲスト・ヴォーカリストを迎えて行われている。

Garbage / Push It
This month sees the release of Garbage's new album 'Version 2.0' which is being promoted with a full European and US tour.
今月ニュー・アルバム‘Version 2.0’をリリースするガーベッジが、そのプロモーションを兼ねてヨーロッパならびにアメリカ・ツアーを敢行中。


UK ALBUM CHART
アルバムタイトルの後の(カッコ内)は、放送されたPVです。
20  George Benson / Essentials...The Very Best Of
19  Savage Garden / Savage Garden
18  Morcheeba / Big Calm
17  Natalie Imbruglia / Left Of The Middle
16  Finley Quaye / Maverick a Strike
15  Celine Dion / Let's Talk About Love
14  Ocean Colour Scene / Marchin' Already
13  Pulp / This Is Hardcore
12  The Mavericks / Trampoline
11  Soulfly / Soulfly

10  All Saints / All Saints
  9  George Martin (Various Artists) / In My Life
  8  The Verve / Urban Hymns
  7  Madonna / Ray Of Light
  6  Radiohead / OK Computer
  5  James / The Best Of
  4  Robbie Williams / Life Thru A Lens
  3  Jimmy Page & Robert Plant / Walking Into Clarksdale  (Most High)
  2  Catatonia / International Velvet
  1  Massive Attack / Mezzanine  (Risingson)


REQUEST
Radiohead / Pop Is Dead

レディオヘッドの1stアルバム、パブロ・ハニーがリリースされた3ヶ月後の93年5月に出たシングルのポップ・イズ・デッドです。1stアルバムには収録されていないシングル曲で、日本盤ではボーナストラック扱いで収録され、また2009年にリリースされた再発コレクター版には収録されています。
当時のレディオヘッドはまだ有象無象の新人で、ニルヴァーナの影響を強く感じられることから英国ではロックファン程度にしか注目されていませんでした。
個人的には92年にCreepのPVをBEAT UKで観た時に静と動のギャップさに感動しレディオヘッドには注目していたのですが、歌詞に禁止用語が含まれ放送が出来ず知名度が上がらなかったため、英国シングルチャート42位と振るいませんでした。
やがてレディオヘッドは外国で大きく注目され、93年9月にCreepが再発してから英国内で評価が爆上がりしたこともあり、人気が出て以後にこの曲がリリースされていればシングルTop5以内に入ったはずだ、と評価されています。
現在はこういったわかりやすいロック(PVも含めて)は作らなくなりましたが、2ndアルバム辺りまでのレディオヘッドが好きだという人もそれなりにいるなど、時代ごとの評価が別れるバンドです。


SPECIALIST CHART
R&B SINGLE CHART
1  Busta Rhymes / Turn It Up
2  K-CI & Jojo / All My Life
3  Lord Tariq & Peter Gunz / Deja Vu (Uptown Baby)
Usher / Nice & Slow
5  Missy 'Misdemeanor' Elliot / Beep Me 911


ONES TO WATCH
Six By Seven / Candlelight

This is the single from Six By Seven who are presently completing short tour of the UK & includes a cover of Mercury Rev's 'Young Man's Stride'.
この曲が、先日UKミニ・ツアーを終えたばかりのシックス・バイ・セヴンからの、3枚目のシングルとなる。また、このシングルにはマーキュリー・レヴのカヴァー、‘Young Man's Stride’がフィーチャーされている。
ノッティンガムの5人組ロックバンド、シックス・バイ・セヴンの3rdシングルです。98年5月後半に1stアルバムThe Things We Makeのリリースが控えており、期待が高まっています。特にロック系重視の音楽誌NMEではかなりプッシュしていたようです。
この曲はバンドにとって初めてシングルチャートに入ったものになりましたが、70位とさほど振るわず、1stアルバムはランクインすらしませんでした。楽曲はとてもカッコいいと思うし、ロック好きには受けそうな感じではありますが、英国では大量にデビューしては消えてゆくインディー系ブリットポップサウンドに埋もれたのかもしれません。もっと見た目に気を遣ったポップなロックならば受けたかもしれませんが、単に宣伝力に欠けていただけかも。
しかしロック好きの間での評価は高く、NMEにおける1998年度のアルバムランキングで13位に入っています。
シングルにマーキュリー・レヴのカバーが入っているとのことですが、シックス・バイ・セヴンはヴァーヴやスピリチュアライズド等サイケデリック系ロックの影響を受けているので、同系統バンドのカバーになっているのでしょう。

Deejay Punk-Roc / My Beatbox

25 year old Brooklyn based Deejay Punk-Roc boasts a record collection of over 15,000albums - not counting the singles!
ディージェイ・パンクロックは、ブルックリン在住の26歳。彼は1万5千枚以上のアルバム・コレクションを誇っているが、シングル盤に関しては既に数えるのが不可能らしい!
アメリカの電子系プロジェクト、ディージェイ・パンクロックはジョン・ポール・デイヴィスという人がやっています。彼の音楽の名義は他にもたくさんありますが、このプロジェクトは98年からやっているようです。
サウンド的にはハウスにブレイクビーツと、1980年代後半のデトロイト・テクノやヒップホップに加えビッグビート的テイストが感じられます。
98年には1stアルバムChickenEyeがリリースされ、これは日本盤も出ていました。その煽り文句によると「ビッグビートムーブメントへの、黒人からの回答と言えるグルーヴ」とのことです。
ビッグビートはサンプリングとブレイクビーツのセンス、それと曲の知識がものを言うジャンルなので、彼の音源コレクションが大いに役に立っていることが伺えます。

Carrie / California Screamin'

Vocalist Ludwin was recently robbed at gunpoint in Costa Rica and left naked, He had to borrow clothes and lie his way on to a UK bound flight to get home!
ヴォーカリストのルドウィンは先日、コスタ・リカで強盗に銃を突きつけられ、裸に剥かれて置き去りにされてしまった。ようやく服を借りた彼は、イギリスに戻る飛行機の中で、横になっていなければならなかったとか!
97年にロンドンで結成されたロックバンド、キャリーの新曲です。このバンドはポップ寄りのロックバンドで、このサーフロックテイストな感じは方向性を強く表していると言えます。
この曲は英国シングルチャート55位となり、98年9月にリリースされる1stアルバム Fear Of Soundに収録されることになります。
英国内でライヴツアーも行うなど精力的に活動していたようですが、ヒットには恵まれませんでした。


WORLD GIG GUIDE
EUROPE
Beck / Rockshow - Copenhagen, Denmark  23 May
The Verve / Hall - Wigan, UK  24 May

NORTH AMERICA
Michael Bolton / Col - Tupelo, USA  29 May /
Bob Dylan / Arrowead Pond Of Anaheim - Anaheim, Calfornia, USA  23 May

ASIA
Deftones / On Air East - Tokyo, Japan  24/25 May /
 Bayside Jenny - Osaka, Japan  26 May
デフトーンズの来日公演日程は変更があり、98年9月4日に大阪の同会場、東京公演は9月2日と3日にOn Air Westで行われています。


FEATURE
UK SUMMER FESTIVALS PART ONE

The festival season gets earlier every year and with new dance-fest Creamfields already been and gone last weekend, we thought it was about time we put together our to what's in store this summer.
毎年スタートが早まっていくフェスティバルのシーズン。新しいダンス・フェス、クリームフィールズが既に先週行われたところで、今回我々はこの夏に何が待ちかまえているかを、独自のフェスティバル・ガイドとしてまとめてみた。

こちらでは独自に該当フェス映像も貼ってみました。


Fleadh '98
6th June - Finsbury Park, London

The 9th annual Fleadh festival will play host a mix of Irish, Celtic international artists and will feature a return performance from Sinead O'Connor.
今年第9回目の Fleadh は、アイリッシュ、ケルティック、インターナショナルから多彩なアーティストをホスト。そして、シンニード・オコナーのリターン・パフォーマンスがフィーチャーされる。

Fleadhは「フラー」と発音する、アイルランド・ケルト系のアーティストや音楽を中心とし、1990年から2004年(うち2003年度は休催)まで開催された音楽フェスです。
1998年度は6月6日の開催で、冠スポンサーにビール会社のギネスがつき、正式にはGuinness Fleadh '98というフェス名になります。
アイルランドではFleadh Cheoil(フラー・キョール)というアイルランド音楽のコンクールがありますが、こちらはロンドンで開催されている商業的な音楽フェスです。
ケルト系民族音楽の影響を感じられるフォーク系アーティストの出演が多いですが、人気のあるスコットランドやアイルランド出身のポップ・ロック系アーティストも出演するフェスです。

Sinead O'Connor / This Is To Mother You

アイルランド出身の女性シンガーソングライター、シネイド・オコナーは1995年にも出演歴があります。
彼女は宗教に関する過激な言動だったりスキンヘッドスタイルだったりとパンクっぽい感もありますが、音楽的には叙情感と愛想が入り混じる表現が特徴です。

Line Up
出演アーティスト

Simple Minds
Sinead O'Connor
The Corrs
Shane MacGowan & The Popes
Altan
Mike Scott
World Party
Dr John
Robert Forster
Ron Sexsmith
Capercaillie
Paul Brady


上記に記載はありませんでしたが、このフェスではジェイムスがヘッドライナーを務めていました。
彼らはマンチェスター出身でケルト系音楽の影響は特にないのですが、フェスの主催会社Mean Fiddlerが集客増を狙い、直前になってラインナップに追加したようです。こういう直前の追加もフェスではよくあります。
こちらの映像ではTomorrow、Out To Get You、Sit Down、Laidの4曲演奏があります。


Glastonbury
26th/27th/28th June - Pilton farm, Glastonbury

Following last year's unlimite mud-dest, this year's 27th Glastonbury will feature a capacity of 100,000 with well over 1,000 performances by 500 bands on 17 stages, & a giant screen to televise all world cup matches live!
究極のマッド(泥)・フェスとなった去年に引き続き、27回目のグラストンベリーは、10万人のキャパに1,000を上回るパフォーマンスが、500のバンドによって行われる。それらは17のステージ、シアター、キャバレー、シネマ、コメディーにまたがり、今年はワールド・カップ生中継用の大クリーンも設置される!

現在でも続くイービス氏所有のピルトン農場で開催される英国最大の音楽フェス、グラストンベリー・フェスティバルです。1998年度は6月26~28日に開催されます。
残念ながら昨今のコロナ禍の中2020・2021年度は休催となっていますが、最近ではキャパシティ18万人分のチケットが30分で完売するという、世界一チケットの取れない音楽フェスとなっていました。
グラストンベリーフェスは毎回BBCのカメラが入っていて、そちら経由でNHK-BSでもよく放送されていました。

Blur / M.O.R.

英国のロックバンド、ブラーのグラストンベリー出演歴は92年・94年に続き3度目となります。98年度のブラーは活動が少ないので貴重なライヴです。

Line Up
出演アーティスト

Pulp
Blur
Bob Dylan
James
Robbie Williams
Stereophonics
Space
Spiritualized
Ian Brown
+ many more

グラストンベリーフェスは基本的に、開催直前または当日までラインナップが正式発表されない伝統があります。ですが各メディアの予想も大抵当たっているので、サプライズの何かでもない限り大騒ぎになることもありません。
しかし98年度は早めの5月に段階的な正式発表がなされ、追加のアーティストも続々発表になります。
98年度のグラストンベリーフェスのメインヘッドライナーは、一日目プライマル・スクリーム、二日目ブラー、三日目がパルプです。

Underworld / Born Slippy

こちらは二日目に登場したアンダーワールドのボーン・スリッピーの演奏です。セットリストはあったのですが、曲目に一部欠けがあります。

New Order / Blue Monday

しばらく活動していないと「解散するのではないか」という噂が毎回飛び交うニュー・オーダーですが、各々別に活動していただけで、そう簡単に看板を下ろしたりはしません。
今回のグラストンベリー出演はバンド再始動の意味合いがありました。


MADSTOCK IV
7th June - Fisbury Park, London

This is the gours 'Madstock' festival to take place in London's Finsbury Park with this year's special guest being Finley Quaye.
4回目になる「マッドストック」フェスティバルは、ロンドンのフィンズベリー・パークで行われる。今年のスペシャルゲストは、フィンリー・クェイ。

英国の2トーン・スカバンド、マッドネス主催によるロックフェスです。マッドネスは80年代のスカ系や98年当時流行しているスカコアバンド群に影響を与えたうちの一つで、70年代末から80年代半ばにかけ活動し、80年代にはヒットを飛ばし86年に解散。そして92年に再結成した後、現在でも継続して活動しています。
このフェスは再結成された92年度が初回で、その後二年に一度開催されています。ロック系以外にもバンドのルーツ音楽であるレゲエやスカ等ジャマイカンミュージック系アーティストの出演もあります。
連続開催は今回の98年度で終わりますが、バンド結成30周年記念として2009年にもマッドストックフェスを行っています。
98年度は6月7日と8日に二日開催された記載がありましたが、どちらか一方だけかもしれません。

Madness / Night Boat to Cairo

この曲はマッドネスによる1980年のシングルです。もっと新しい曲のPVがいくらでもあるのですが、93年に再発されたこちらが98年当時の最新シングルなので紹介されたのでしょう。98年当時から見ても20年近く前のPVなので、メンバーがみんな若々し過ぎです。
PVは急遽低予算で作ったものだそうで特にカメラワークが酷いですが、ハチャメチャな面白スタイルがかなり受け、以後もユーモアのあるPVをたくさん作っています。
ちなみに彼ら、日本のCMに出演したことがあります。→HONDA CITYのCM

Line Up
出演アーティスト

Madness
Finley Quaye
Space
Catatonia
Toots And The Maytals
Alabama 3
Desmond Dekker
Jazz Jamaica
+ many more


こちらは98年のマッドストックにおける、マッドネスのNight Boat To Cairoです。上記で紹介したのと同じ楽曲ですが、流石にメンバーも相応の年齢を重ねた姿になっています。
動画元には1999年と記載されていますが、1998年の映像だと思われます。


T In The Park
11th/12th July - Balado, by Kinross, Scotland

The bill for the 5th T In The Park has been tipped as one of te best in Europe this year and will feature DJ's and an underground rock/dance stage.
今年ヨーロッパ最高のラインアップといわれる、第5回目のTイン・ザ・パークは、DJとアンダーグラウンド・ロック/ダンス・ステージをフィーチャー。

T・イン・ザ・パークは、地元のビール会社テネンツが冠スポンサー(「T」がテネンツの頭文字)についている、スコットランド最大のロックフェスです。1994年~2016年まで毎年開催されていました。
BEAT UKでは放送されませんが、毎年BBC等のカメラが入っていたようで過去映像が結構あります。
こちらもグラストンベリーフェスと同じくワールドカップ開催日程と被っているため、試合を映す大型スクリーンが用意されていました。

Beastie Boys / Sabotage

アメリカのヒップホップトリオであるビースティ・ボーイズは二日目の出演で、準ヘッドライナーの扱いです。
98年には新作が発表されるので、大いに盛り上がったでしょう。

Line Up
出演アーティスト

Arab Strap
Ash
Asian Dub Foundation
A Tribe Called Quest
Beastie Boys
Bentley Rhythm Ace
Bernard Butler
Campag Velocet
Catatonia
Chumbawamba
Cornershop
Finley Quaye
Garbage
Gomez
Ian Brown
James
Lo-Fidelity Allstars
Money Mark
Natalie Imbruglia
Portishead
Prodigy
Propellerheads
Pulp
Robbie Williams
Scott 4
Seahorses
Space
Spiritualized
ヘッドライナーは初日がプロディジー、二日目がパルプです。


こちらは上記でも紹介したビースティ・ボーイズのサボタージュの演奏です。

来週パート2になる UK サマー・フェスティバル・ガイドでは、延期となったユニヴァース'98に加え、フェニックス、レディング、V98、パルプ、ジャム・イン・ザ・パーク等々を紹介します。


WEBSITE OF THE WEEK
BUK4月号
Virgin Records(1998年6月当時)


TOP 10
10 ↓   Ultra Nate / Found A Cure
 9 →  Savage Garden / Truly Madly Deeply
 8  N  Steps / Last thing On My Mind

Wilist filming the video for their second single on location in Havana, Cuba, Steps girl Claire lost her suitcase and is still to recover it!
キューバはハバナでこの曲のプロモーション・ヴィデオを撮影した際、スーツケースを盗まれてしまったステップスのクレア。結局損害賠償で賄ったらしい。
英国の男女混成ポップグループ、ステップスの2ndシングルです。ポップグループにはよくあるカバー曲シングルで、こちらは92年のバナナラマのカバーです。
バナナラマといえばプロデュースチームSAWが楽曲製作をしていますが、ステップスはSAWのピート・ウォーターマンがプロデューサーとなっている関連性があります。
1stシングルの5,6,7,8はテクノ調でしたが、今回はカバーということもあって方向性を模索しようという感じがします。英国シングルチャートで6位となり、オリジナルよりもヒットしました。
男女混成グループなのにこの曲で男性のソロパートがないのは残念ですが、アバを目標にするグループってこともありそうです。まぁアバは男性陣が作曲チームなので事情は違いますが。

 7  N  The Dandy Warhols / Not If You Were The Last Junkie On Earth

Apparently keyboardist Zia is known for taking her top off. Their UK debut show was stopped while the audience voted as to whether she should cover up!
キーボーディストのジアはライヴ中に上半身裸になってしまうので有名だが、先日のUKでの初ライヴでは、彼女がもう一度服を着るべきかどうかオーディエンスが言い争いを始めたので、ショウが中断してしまった!
アメリカ・ポートランドのオルタナティヴロックバンド、ザ・ダンディー・ウォーホルズによる2ndアルバム...The Dandy Warhols Come Downからの先行2ndシングルです。(アメリカでは1stシングルだった)
アルバム・シングル共にアメリカでは97年にリリースされていましたが、英国では98年に、2ndアルバムは5月リリースになります。
この曲はブリットポップ的な楽曲だったこともあって英国シングルチャート13位となり、本国よりも先行した人気が伺えます。PVは英国音楽シーンを意識した感じのセンスで、特にファッションが英国の若者っぽいです。

 6  ↓   Run DMC vs Jason Nevins / It's Like That
 5  N  Boyzone / All That I Need

'All Tat I Need' makes Boyzone only the second act ever to reach the Top 5 wit their first 11 singles, a fast previously achieved only by Kylie Minogue.
この‘All That I Need’が、ボーイゾーンにとってデビュー・シングル以降連続11曲目のトップ5入りとなる。この快挙を成し遂げてい先達は、カイリー・ミノーグしかいない。
アイルランドのボーイズグループ、ボーイゾーンの3rdアルバムWhere We Belongのリリースを98年5月に控える中、4月にリリースされた先行3rdシングルです。
この曲は英国シングルチャート1位を獲得しています。BEAT UKでは5位止まりになってしまいましたが、このヒットを皮切りに1998年はボーイゾーンの年だったとも言える活躍を見せ、英国におけるボーイズグループの頂点に君臨したと言っても過言ではありません。
更にこの曲は本国アイルランドでは当然1位で、台湾のチャートでも1位を獲得していました。

 4  ↓   The Tamperer featuring Maya / Feel It
 3  ↓   Busta Rhymes / Turn It Up (Fire It Up remix)
 2  N  Kula Shaker / Sound Of Drums   PVなし

Kula Shaker are presently undertaking a major tour of the UK on te back of the release of their latest single 'Sound Of Drums'.
クーラ・シェイカーは、この最新シングル‘Sound Of Drums’のリリースに合わせて、UK国内ツアーを敢行中。
英国のロックバンド、クーラ・シェイカーの新曲が発表されました。
この曲はシングルチャート3位となり、翌99年にリリースされる2ndアルバムPeasants, Pigs & Astronautsの先行シングルでもあります。
英国のみならず日本でも人気があるバンドなので2ndアルバムが期待され、このシングルで期待感はさらに高まりましたが、レコーディングが相当難航してリリースが遅れてしまいました。
それに加えヴォーカルのクリスピアンのスピリチュアル過ぎる発言がさらに増えて問題視され、英国内でバッシングを受けるなど厳しい状態に陥ってゆくのでした。
せめて年内にリリースできていれば、バンドの評価がもっと上がっていたのかも知れないと思います。
PVはこの頃まだできていなかったようですが、貼ったこちらが正式なものだと思われます。リーズでのライヴ映像を元に製作されたPVだそうです。


ON STAGE
Ian Brown / My Star
イアン・ブラウンの客なしステージです。口パクではなく生演奏でした。同じ映像は発見できませんでした。


NO.1
       N          Catatonia / Road Rage

Echoing the fashion ethos of fashion designer Vivienne Westwood, Cerys recently admitted that "When in doubt, I overdress!
ファッション・デザイナー、ヴィヴィアン・ウェストウッドについて、キャリスは「もしどんな格好をしようか迷ったら、私は着飾りすぎるくらいにしているの!」とコメントしている。
ウェールズのロックバンド、カタトニアの2ndアルバムInternational Velvetからの3rdシングルです。
この曲はBEAT UKで見事1位を獲得していますが、英国シングルチャートでは最高5位でした。ボーイゾーンとは順位が逆です。
この曲は英国で96年に実際に起きた、女性が婚約者の男性を殺害した事件を元に作られています。直近の事件だったこともあって被害者遺族にとってはたまったものではないでしょう。
音楽的な評価は高かったですが、今なら大衆によるバッシングの声が大きくなると共に評価が下がってしまうと思います。
元ネタは結構有名な事件になっていたこともあって、後に被害者の母親が事件に関する本を出版し、その中でカタトニアのヴォーカルのケリスが電話で謝罪した話が書かれていたそうです。



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