1998年4月17日のオンエア情報です。
2015年に英国BBCで「史上最もクールなバンドTシャツ」という企画があったことを知りました。単に音楽好きの投票ではなく、ファッションデザイナー選定監修ってことでセンスはお墨付きです。
自分は「一見ダサくてわかる人だけニヤリとする」ようなセンス皆無なデザインが好きなので、ソニック・ユースならGoo柄じゃなくてウォッシング・マシーンのジャケ写にもなった洗濯機柄(ソニック・ユースの公式グッズ)が好きです。
もっともGoo柄でも人間が犬になっていたりする、許可取ってるのかわからないアレンジTシャツにも魅力を感じるし、最近では上記で1位になっているジョイ・ディヴィジョンの波形デザインを雑に描いたアレンジ版を発見し、いつか買おうと目論んでいます。
→1998年4月14日付HO HOU(ホ・ホゥ)
今週のヘッドライン
イアン・ブラウン、シークレットライヴに登場
デイヴ・ナヴァロ、レッチリを脱退
ジョージ・マイケル、猥褻行為で逮捕される
先週からのランキングの
↓ はダウン
↑ はアップ
→ は変化なし
N はNew Entry、R はRe-Entryです。
太文字はアーティスト名で、/ の後に曲名が続きます。
基本オンエアそのままの表記ですが、スペルミスや追記が必要そうなときはその都度調整します。
ミュージックビデオはPV(プロモーションビデオの略称)と表記します。
英語テロップはBEAT UKの放送から引用しています。
緑字の部分は旧公式サイトからの引用です。
日本語黒字の説明部分は自分の感想であり、翻訳ではありません…が、時々適当に訳してることもあり、その際は斜体青文字で表記しています。ご了承ください。
BEAT UK April.17.1998 On Air
Voice / Neil Fox
OPENING
Busta Rhymes / Turn It Up (Fire It Up remix)The 'Fire It Up' remix of 'Turn It Up' samples the theme tune US classic eighties TV series 'Knight Rider'.
‘Turn It Up’のリミックス・ヴァージョン、‘Fire It Up’には、アメリカの80年代TVシリーズ「ナイト・ライダー」の主題歌がサンプルとして使われている。
TOP 20
20 N Page And Plant / Most High
The forthcoming album 'Walking Into Clarksdale' apparently took just 35 days to record in the UK's famous Abbey Road Studios.
彼らのニュー・アルバム‘Walking Into Clarksdale’は、有名なアビー・ロード・スタジオで、わずか35日間の間にレコーディングされた。
元レッド・ツェッペリンのメンバーであるジミー・ペイジとロバート・プラントによるユニットで、98年4月にはこのシングルも収録されるアルバム、Walking into Clarksdaleがリリースされます。
レッド・ツェッペリンはドラマーのジョン・ボーナムの死により1980年に解散していますが、以降は各々ソロキャリアへと進みつつたまに再結成して大規模ライヴをやっています。95年にはロックの殿堂入りを果たしています。
共作という形でのリリースとしては94年以来で、その時はレッド・ツェッペリンのセルフカバーシングルでしたが、今回は新曲とアルバムがリリースされました。
結局この二人で新曲リリースするのはこれきりになりましたが、これからもレッド・ツェッペリン時代の音源や映像がいくつもリリースされています。
19 N Fire Island feat. Loleatta Holloway / Shout To The Top
Loleatta Holloway joins Fire Island's Farley, Heller and wilkinson on this cover of The Style Council's 1984 single 'Shout To The Top'.
ロレッタ・ホロウェイが、ファイアー・アイランドの3人=ファーリィ、ヘラー、ウィルキンソンと共にスタイル・カウンシルの84年のヒット・シングル、‘Shout To The Top’をカヴァー。
ファイアー・アイランドは92年にデビューした英国の2人組ハウスグループで、ウィルキンソンさんはプロデューサーのようです。
この曲はアメリカ人シンガーのロリータ・ハラウェイをフィーチャリングした、1984年のスタイル・カウンシルの同名曲カバーです。ロリータ・ハラウェイはハウス系サンプリングネタではお馴染みのシンガーです。有名どころでは1989年に英国シングル1位になったブラックボックスのRide on Timeでしょうか、これは無断サンプリングだったので後から結構な金額を請求したという話もあります。
原曲よりテンポを落として力強いヴォーカルに合わせ、ソウル・ハウステイストに持っていったのは上手いです。
この曲はアメリカのダンス・クラブチャートで1位になり、英国シングルチャートで23位に入りました。
この二人組によるファイアー・アイランド名義の曲はこちらが最後になりますが、以後もHeller & Farleyという名義を中心に活動が続きます。
18 N Conner Reeves / Read My Mind
This is the third single from Conner Reeves who has written songs for Tina Turner and Carleen Anderson, in addition to working with MN8 and Louise.
これがコナー・リーヴスの3枚目のシングルとなる。彼は、ティナ・ターナーやカーリン・アンダーソンに曲を提供していることや、MN8やルイーズと一緒に仕事をしていることで有名。
英国のシンガーソングライター、コナー・リーヴスの1stアルバムEarthboundからの3rdシングルです。
前作シングルはソウル寄りでしたが、今回はポップアレンジの利かせたリミックスバージョンをシングルカットして来ました。シンガーソングライターと言ってもシングルカット曲は全て他の人が作ったものを出しているので、プロデュース上方向性を探っているのでしょう。
1stアルバムからのシングルはこれで最後で、以後アルバムはリリースされていません。シングルリリースや他のポップ系アーティストへの楽曲提供は行うなど音楽活動は継続しているので、いつか久々のアルバムがリリースされるかもしれません。
PVは放送されていたので存在はするようですが、発見できませんでした。You Tubeには公式で音源のみのアップロードがありました。
17 N Kristine Blond / Love Shy
22 year old Danish songstress Kristine releases her debut single, 6 year after being inspired to start a singing career after hearing Mariah Carey.
22歳のデンマーク人ソングライター、クリスティンが、マライア・キャリーに影響を受けて歌い始めてから6年。いよいよ彼女のデビュー・シングルがリリースされた。
デンマークのシンガー、クリスティン・ブロンドのデビューシングルです。
シンガーとしての実力は申し分なくルックスも可愛らしいので、後は楽曲に恵まれるだけです。
今回のシングルはハウステイストで、ポップ系というよりはアーティスト的な方向性で持って行った印象を受けます。
この曲は後に何度か再発されるクラブヒットにもなりましたが、新たな新曲は2000年まで待たなければなりませんでした。
16 → Madonna / Frozen
15 N Skinny / Failure
This is the debut single from Matt Benbrook and Paul Herman who met whilst travelling India in 1996 and formed Skinny upon returning to the UK.
マット・ベンブルークとポール・ハーマンの2人は、1996年に旅行先のインドで出会い、イギリスに戻ってからスキニーを結成した。この曲が、彼らのデビュー・シングルとなる。
スキニーは英国のバンドで、トリップホップやロックをミックスさせたようなサウンドをしていて、それを打ち込みではなくバンド形式でやっていて面白いです。
この曲はバンドのデビューシングルで、英国シングルチャート31位に入りました。新人なら上々のチャートアクションです。98年3月末には1stアルバムThe Weekendがリリースされました。こちらはフェイスレスのロロ・アームストロングのレーベルからのリリースで彼自身や妹のシンガー、ダイドの参加もあるアルバムです。
しかし結局このシングルがTop40入りを果たしただけになり、以後チャートには登場しませんでした。このシングルは人気があったので、2001年の2ndアルバムにも収録されています。
14 N Celetia / Rewind
Celetia's 'Rewind' has a house mix by Kelly G, also responsible for club anthems by Ce Ce Peniston and Tina Moore.
セレシアの‘Rewind’には、ケリー・Gによるハウス・ミックスや、Ce Ce Peniston、ティナ・ムーアのクラブ・クラシックに対する彼女なりのニュー・ヴァージョンが収録されている。
セレティアは96年にデビューした英国のシンガーソングライターで、本名のセレティア・マーティン名義でも活動しています。他アーティストに楽曲提供や共同製作も行っています。
今回のシングルは98年4月にリリースされる2ndアルバムRunaway Skiesからの1stシングルで、彼女が初めて英国シングルチャートに入った楽曲になりました。チャート自体は29位でしたが、BEAT UKではTop20入りしているので勢いがあります。
結構可愛らしい歌声なので、ポップ寄りの楽曲が映えそうです。
13 ↓ Tin Tin Out featuring Shelley Nelson / Here's Where The Story Ends
12 ↑ LeAnn Rimes / How Do I Live
11 ↓ 911 / All I Want Is You
ON STAGE
Space / Neighbourhood
スペースの客なしライヴです。同じ映像は発見できませんでした。
NEW RELEASES
Boyzone / All That I Need
Talking about his recent promotional trip to Japan, Ronan commented that he found it strange because he couldn't read any of the street signs!
先日日本にプロモーション来日した時、何が一番奇妙な体験だったかと訊かれて、ローナンは、「通りにある看板が全然読めなかったことだね」と答えている。
Ultra Nate / Found A Cure
This is the follow up to 'Free' (which spent 42 weeks in the UK's top 50!) and the predecessor to their 'Situation:Critical' album, due later this month.
UKチャートで42週連続トップ50入りを果たした‘Free’に続くこの曲は、今月末にリリースされるアルバム‘Situation: Critical’からの先行シングル。
The Jesus And Mary Chain / Cracking Up
J.A.M.C's first gig in 1984 resulted in them being forcibly ejected from a Scottish club having smashed up the headlining band's equipment!
1984年、初めてのギグでヘッドライナーのバンドの機材をメチャクチャにしてしまった彼らは、その後スコットランド中のクラブから締め出しを食らってしまった!
スコットランドのロックバンド、ジーザス&メリーチェインの新曲が発表されました。
先日のHO HOUでも報じられましたが、バンドは所属していたレーベルのブランコ・イ・ネグロが閉鎖になったことで、新たに古巣クリエイションと契約しました。古巣といってもバンドがかつてクリエイションからリリースしたのは1984年のデビュー曲Upside Downのみですが、上記のライヴエピソード等の悪名をクリエイションの主宰アラン・マッギーが宣伝に使ったことで、彼らの人気に火が付いたのです。
このシングルは98年6月にリリースされる6thアルバムMunkiに収録される2ndシングルとなり、英国シングルチャート35位になっています。ちなみに1stシングルは95年のシングルI Hate Rock 'n' Rollです。
アルバムは初期特有のノイジーさは薄れたものの緊張感漂うロックンロールは相変わらずで、リード兄弟の妹や、兄の彼女でマジー・スターのホープ・サンドヴァルのヴォーカルもあったりします。
このバンドは兄のウィリアムと弟ジムのリード兄弟が中心でやっているのですが、今回のアルバムでは以前にはなかった曲ごとに兄弟別々のクレジットになっています。これは兄弟仲が非常に険悪になっていることの表れでした。そして翌年には兄が脱退し兄弟それぞれのソロ活動が始まり、バンドは解散状態になるのでした。
その後2007年に再結成され、2017年には7thアルバムがリリースされています。
UK ALBUM CHART
アルバムタイトルの後の(カッコ内)は、放送されたPVです。
20 All Saints / All Saints
19 Space / Tin Planet
18 Ian Brown / Unfinished Monkey Business
17 Texas / White On Blonde
16 Eric Clapton / Pilgrim
15 The Chaelatans / Melting Pot
14 George Martin/Various / In My Life
13 Therapy? / Semi-Detached (Church Of Noise)
12 Morcheeba / Big Calm
11 The Corrs / Talk On Corners
10 Natalie Imbruglia / Left Of The Middle
9 Radiohead / OK Computer
8 Celine Dion / Let's Talk About Love
7 Catatonia / International Velvet
6 Finley Quaye / Maverick a Strike
5 The Verve / Urban Hymns
4 Madonna / Ray Of Light
3 Robbie Williams / Life Thru A Lens
2 James / The Best Of
1 Pulp / This Is Hardcore (Help The Aged)
REQUEST
Spiritualized / Anyway That You Want Me
SPECIALIST CHART
UK DANCE ALBUM CHART
1 Kristine Blond / Love Shy
2 Groove Connektion 2 / Club Lonely
3 Todd Terry / Ready For a New Day
4 Ready For a New Day / Shout To The Top
5 Sil / Windows '98
2 Groove Connektion 2 / Club Lonely
3 Todd Terry / Ready For a New Day
4 Ready For a New Day / Shout To The Top
5 Sil / Windows '98
Gang Starr / Moment Of Truth (You Know My Steez)
ギャング・スターは1985年に結成されたDJプレミアとMCグルの二人組ヒップホップユニットです。実際に二人で活動し始めたのは87年頃で、その前はグールーがギャング・スター名義で活動していました。
サウンドはジャズやファンクをサンプリングネタに使った感じのもので、90年代初頭辺りはこういったサウンドが目新しかったこともあって人気に火が付きます。その後各々プロデュースやソロ活動も行っていました。
98年3月末にリリースされた彼らの5thアルバムMoment Of Truthは4年ぶりの作品で、ユニットでは初めてのゴールドアルバムになった最高傑作とも呼べるものになりました。今回紹介したシングルは97年にリリースされているものです。
その後2003年頃にユニットは別れ、グールーは2010年に病気で亡くなりました。そして2019年になってギャング・スターの未発表音源を元に製作されたアルバムがリリースされています。
ONES TO WATCH
Acetone / All You Know
アセトーンは、ロサンゼルスの3人組。リッチー・リー(ヴォーカル・ベース)、マーク・ライキャップ(ヴォーカル・ギター)、スティーヴ・ハドリー(ドラムス)による。
アセトンは92年に結成されたアメリカの3人組ロックバンドです。サウンドはサーフ・ロックとサイケデリックサウンドをだらっとしたフォークテイストでやっている感じです。
93年のデビューからヴァージン・アメリカのサブレーベルVernon Yardからリリースしていましたが、97年に契約解除になり、新たにニール・ヤングのレーベルVaporと契約しました。
このシングルは97年にリリースされた、バンド名を冠した3rdアルバムからのシングルカットです。今回はセルフプロデュースでやっているとのことで、バンドの色がより濃く出ているアルバムになっています。こういうのが好きな人は、この時代のフォークテイストのUK新人バンド群も好きそうです。
なおバンドは2001年にリッチー・リーが亡くなったことで解散していましたが、2018年に4人編成として再始動しています。
Cornelius / Star Fruits Surf Rider
「猿の惑星」のヒーローから名前をとったコーネリアスは、最近のコンサートを観るために、3D眼鏡を観客にくばった。
日本人には馴染みのアーティスト小山田圭吾のソロプロジェクト、コーネリアスの紹介です。元フリッパーズ・ギターの片割れであり、現在でもソロ活動や様々なグループとのコラボ、メディアへの楽曲提供など活発に活動しています。この頃コーネリアスはアメリカのレーベル、マタドールと契約し海外でのライヴ活動も活発に行っています。
この曲は97年に日本でリリースされたシングルのStar FruitsとSurf Riderの2曲の合作版で、2曲同時にかけるとこのバージョンになる、というコンセプトで製作されていました。ドラムンベースの手法を使ったりと、英国のダンス系サウンドの影響を感じることができます。
海外向けにはマタドールからこの曲も収録されているアルバムFANTASMAがに98年3月に、こちらのシングルは98年9月のリリースとなります。
Asian Dub Foundation / Buzzin'
A.D.F. claim their music is a reflection of reality and that "it's a way of getting rid of out anger" which is preferable to physical violence.
自分たちの音楽は現実を映し出している、とするADF は、それが暴力的にではなく「怒りを沈ませる」手段だと言っている。
英国のバングラ・ミクスチャーバンド、エイジアン・ダブ・ファウンデーションの新曲です。実際には新曲ではなく、元となる曲Bussingを製作し直したバージョンです。
フランスで人気に火が付いたアルバムR.A.F.I.を英国でリリースすべく曲を新たに製作し直し、98年5月に新作アルバム、Rafi's Revengeとしてリリースすることになりました。
この曲では原曲にロック色を加えた感じになっていて、日本では「デジタルロック」の括りとして紹介されて人気になりました。
歌詞は全体的に政治色が強くテーマが重いバンドで、英国版レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、なんて紹介のされ方をしていましたが、ヴォーカルが軽妙なので曲重視で聴く分には楽しいです。
WORLD GIG GUIDE
EUROPE
Creamfields Festival / The Bowl - Winchester, UK 2/3 May
Run-DMC / Money Mark / The Chemical Brothers / Primal Scream / Cornershop
2日にはファットボーイ・スリム、ベス・オートン、フィンリー・クェイ等の出演もあったようです。
The Big Tour / Hammersmith Apollo - London, UK 3 May
Aaron Carter / N-Tyce / No Authority
Saint Etienne / Rizz - Manchester, UK 5 May /
Town Hall - Middlesbrough, UK 6 May
Janet Jackson / Schleyerhalle - Stuttgart, Germany 7 May
Festhalle - Frankfurt, Germany 8 May
NORTH AMERICA
Bonnie Raitt / Riverfront Festival - Nashville, USA 2 May
ASIA
Metallica / Nihon Budokan - Tokyo, Japan 6/7 May
Yoyogi Olympic Hall - Tokyo, Japan 8 May
FEATURE
JAMES RETROSPECTIVE
ジェイムス回顧録
16 turbulent years and 8 albums on, James are back with a best of compilation album which went straight in at no.1 in last week's album chart.
As well as containing thirteen previous Top 40 hits, the album includes two brand new tracks, 'Destiny Calling' and 'Runaground'.
激動の16年間と8枚のアルバムを経て、ジェームスがベスト・コンピレーション・アルバムを引き下げ戻ってきた。そして、そのアルバムは先週のアルバム・チャートでストレートに初登場1位。
このアルバムは、彼らの13のトップ40ヒット曲を含むだけでなく、2曲の新曲 'Destiny Calling'、'Runaguround' を収録。
ジェイムスのバンドキャリア初のベストアルバムが98年3月にリリースされ、英国アルバムチャートで1位、BEAT UKのアルバムチャートで2位となる素晴らしいチャートアクションを見せています。
James started out in 1982 when guitarist Paul Gilbertson, bassist Jim Glennie and drummer Gavan Whelan invited a mad dancer they bumped into at a Manchester disco to join the band.
ジェームスは、1982年にギターリストのポール・ギルバートソン、ベーシストのジム・グレニー、ドラマーのギャヴァン・ウィーランが、マンチェスターのディスコで知り合った、いかれたダンサーを誘って発足。
この「いかれたダンサー」というのはヴォーカルでバンドの顔となるティム・ブースのことで、加入当初はダンサー扱いでした。ロックバンドにダンサー…という体の賑やかし要員というのは有名どころでハッピー・マンデーズのベズがいますが、あちらも同郷マンチェスターのバンドです。
In 1985 their James II e.p. caught the attention of local fan Morrissey who invited the band to tour with The Smiths proclaiming them "the best band in the world ever!".
1985年の 'James II e.p.' が、ローカル・ファンだったモリッシーの注意を引き、彼が「この世界で一番のバンド」としてザ・スミスと一緒にツアーに出ることを招待した。
ジェイムスのレコードデビューは地元マンチェスターの有名インディーレーベル、ファクトリー・レコードからでした。こちらからはEP3枚の契約で、James IIは1985年にリリースされた2枚目のEPです。こちらは英国インディーチャートで2位となり、一気に注目を集めます。
同年にはスミスのサポートアクトとしてツアーを回り、その時スミスはジェイムスの1stEPに収録されているWhat's the Worldをカバーしたそうです。
The band released their 4th album, 'Gold Mother' in 1990 in the midst of 'Madchester' which embraced James, Happy Mondays and The Stone Roses as it's ambassadors.
バンドは4枚目のアルバム 'Gold Mother' を1990年にリリース。この時期はかの「マッドチェスター」全盛期で、ジェームスはハッピー・マンデーズ、ストーン・ローゼズと並んで、その大使的役割を果たす。
インディーチャートで注目を浴び、1986年には満を持してメジャーレーベルのサイアーから2枚アルバムをリリースするも、残念ながら目立ったヒットにならず契約解除になってしまいました。
その後元々ライヴに定評があったバンドは再起を図るため借金をしてライヴアルバムを製作したところ、再度注目を集めることになりました。ちなみにこのライヴアルバムは自主製作の限定1万枚リリースだったため、現在ではプレミア価格が付いているそうです。
そして折しも地元発祥マッドチェスターブームの中勢いに乗ったジェイムスは、90年に3rdアルバムGold Motherをリリース。見事全英アルバムチャート2位となり、一気に英国を代表するロックバンドになったのでした。
このアルバムはアメリカでもバンド名を冠したタイトルでリリースされ、同時に何曲かミックスが施された再発盤としてもリリースされました。以後アルバムがコンスタントにヒットするバンドになります。
Their last album 'Whiplash' went gold last year and spawned one of their biggest selling singles 'She's A Star'.
彼らの前のアルバム「Whiplash」は昨年ゴールド認定(60万枚以上)になり、最も売れたシングルの1つ「She's A Star」を生み出しました。
97年リリースの7thアルバムWhiplashはゴールド認定となり、既に安定した人気があります。しかしここに至るまでにはいくつかの危機があり、メンバーの脱退や税金トラブル、ティムがバンド外の音楽活動のため一時離脱、またロラパルーザツアー中にティムが首を骨折するなど色々あったのでした。
James are currently on a sold-out tour of the UK and have a new studio album planned for release later this year.
ジェームスは現在、ソールド・アウトのUKツアー中、そして年末には新しいスタジオ録音のアルバムのリリースが予定されている。
8thアルバムは99年10月にリリースされます。お楽しみに!
James / Sit Down
ジェイムス3rdアルバム、Gold Motherの1stシングルだったシット・ダウンは彼らの代表的楽曲ですが、初出の1989年バージョンから若干変更した、こちらの91年リリースバージョンが最も知られているシット・ダウンです。英国シングルチャートではオリジナル版が77位、再録音版が2位になっています。
このライヴは1990年に地元マンチェスターで行われたもので、公式PVとしても採用されました。ライヴは当時VHSでもリリースされていて、なんと日本盤VHSも存在します。実際のライヴではこの曲の演奏が終わっても観客がサビ部分をずっと歌っているほどでした。
James / Come Home
こちらも3rdアルバムGold Motherからのシングルカットです。このシングルも再発されていますが、アンドリュー・ウエザオールによるミックスが施されたものになっていました。
オリジナルがシングルチャート84位、リミックスが32位でした。
James / How Was It For You?
こちらも3rdアルバムGold Motherからのシングルで、32位となっています。このアルバムからは4枚のシングルカットがあり、今回紹介した他のもう一曲はLose Controlでこちらは38位でした。
Sit DownとCome Homeは2回リリースされているのですが、最もヒットしたのは最後のカットとなったSit Downの再録版でしたので、尻上がりに人気が高まっていたことが伺えます。
James / Sometimes
こちらは93年の5thアルバム、Laidからの1stシングル曲です。とても楽器に悪そうなPVですが、たぶん撮影も大変だったと思います。
全英シングルチャート18位でした。
James / Laid
こちらは93年の5thアルバムのタイトルトラック曲で、全英シングルチャート25位でした。チャート自体はそこそこだったのですが、曲の出来が素晴らしかったので後に様々なメディアで使用されています。
バンドとしては当初この曲をシングルどころかアルバム収録もどうかと思っていたそうですが、プロデューサーのブライアン・イーノがシングルに推したそうです。
アルバムからのもう一つのシングルカットであるSay Somethingもとてもいい曲です。
James / She's A Star
ジェイムスの97年リリースのアルバムWhiplashからの1stシングルです。バンドとしては久々のTop10ヒットで、全英シングルチャート9位になりました。Top10に入った曲はこちらと91年のSit Down、同年リリースの4thアルバムSevenの1stシングルSoundの3曲で、この時代のブリットポップバンドからするとチャートアクション的には見劣りする印象もあります。
これはメディア露出や時代とか色々な要因があるとは思うのです。特にマッドチェスターやシューゲイザーが終焉しロックバンド不毛時代と言われた93年にリリースされたたアルバム、Laidからのシングル群は神曲揃いなのでもっとヒットしててもいいのではと思いました。
James / Destiny Calling
というわけでジェイムス初となるベストアルバムリリースを機に、ジェイムスの歴史をざっと振り返ってみる特集でした。
このシングルはベストアルバムに収録された2曲の新曲のうちの一つで、シングル17位になっています。
世界レベルのスターグループになっていたらPVみたいなことしてたのかな…いや、ないだろうな。アメリカのスタジアムを巡るライヴツアー三昧のバンドにはなっているかもだけど。
We've got 20 copies of 'The Best Of James' to give away along with calendars and stickers if you answer this question:-
クイズに正解した方の中から20名の方に、彼らのベスト・アルバム、限定CDカレンダー、ステッカーをセットでプレゼント。
結構太っ腹なプレゼントですね!
What is the band's logo?
Q: バンドのロゴに使われているものはナンでしょう?
ジェイムスのバンドロゴって、フォントを指しているなら一定していないので困るところです。現在では小文字の「james」ですけど。
あと思いつくのは、Sit DownのPVでステージに舞うデイジーでしょう。今回のベストアルバムのジャケット柄でもありますのでこっちかな。
今回ブログ冒頭でバンドTシャツのことを書きましたが、ベスト盤をモチーフにした大きなデイジープリントのジェイムスTシャツは、クールなTシャツランキングで2位になっていました。
Answers on a postcard or via e-mail to:-
以下住所及びメールアドレスは割愛させていただきます。
WEBSITE OF THE WEEK
→BUK1998年4月号
→EMPIRE Online(1997年8月現在)
英国の映画情報誌のウェブサイトです。98年中には別アドレスに移転し、現在でも存続するサイトです。→現在のEMPIRE Online
TOP 10
10 N Travis / More Than Us E.P.
Travis plan to tour America taken by the idea that "You can play all over the country for ears and never play the same venue twice".
トラヴィスはアメリカ・ツアーを計画中。そのココロは、「何年も何年も全国を回りながらプレイできるし、同じヴェニューで2度とやらなくてもいいからね」。
スコットランドのロックバンド、トラヴィスの1stアルバムGood Feelingから最後のカットとなる5thシングルです。この曲はバンド初となるTop20入りをした曲で、全英シングルチャート16位になりました。
1stアルバムはリリースした時点ではあまり売れていなかったのですが、オアシスのノエルが評価したことで知名度が上がりアルバムも徐々に売れ続け、本格的にヒットするのは2ndアルバムからになります。
9 ↓ Destiny's Child / No No No
8 → The All Seeing I / Beat Goes On
7 ↑ Savage Garden / Truly Madly Deeply
6 ↓ Robbie Williams / Let Me Entertain You
5 ↓ Janet Jackson / I Get Lonely
4 → Celine Dion / My Heart Will Go On
3 N Billie Myers / Kiss The Rain
Billie was discovered in a club by producer Pete Q Harris who told her if she sang as well as she danced they should work on some songs together!
ビリーはナイトクラブで、「もし君がそのダンスと同じくらい上手に歌えるんだったら、僕達は一緒に曲作りをすべきだと思う」と、プロデューサーのピート・Q・ハリスによって発掘された。
ビリー・マイヤーズは英国・コヴェントリー出身のシンガーソングライターです。
この曲は彼女のデビューシングルで、英国で4位、アメリカで15位と国際的にヒットしたものになりました。アメリカでは1stアルバムGrowing, Painsと共に97年にリリースされているのですが、ヒットしたのはアメリカで2月、英国でこの時期だったので徐々に人気が出たのでしょう。
彼女は現在でも音楽活動を続けていますが、今のところこの曲のみの一発屋となっています。それでも大きな一発を当てるってのも、非常にまれで幸運なことなのです。
2 → Sash! / La Primavera
ON STAGE
Five / Slam Dunk (Da Funk)
ファイヴの客なしライヴです。同じ映像は発見できませんでした。
NO.1
→ Run DMC vs Jason Nevins / It's Like That
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コメント
コメント一覧 (6)
Tシャツ
2002年にオアシスのライブに行ってその時に買ったTシャツを長らくお部屋に飾っていました。
処分せずに今着ていればよかったと思いました。
クリスティン・ブロンド
ま、まさか。。曲名を見てピンときました。
これが原曲だったとは。。
確か2007年くらいのエイチツーオーだかプラチナムなどという人達がカバーしたヒット曲ですね。
当時はPVなどを見て情報などは収集していなかったので、
名前が一発系の感じですし、誰か有名クラブ系アーティストの変名かと考えたり謎でした。
しかも、曲がかなり良くできているのでより謎でした。
当時、もう一つのヒット曲もあります。
それは2位まで駆け上がったようでその曲がまたかなり良いです。
未だに聞いています。
この曲、フックかなり強いと思っていて、今回、順位を見てかなり疑問です。
多分、アイドルなり有名クラブ系が作ったら余裕で3位は入ると思います。
2008年まで月日が流れるととクラブ系も個人的に不毛でした。
とあるデータと取っていた時期がありました。
DJやダンス系曲、アイルドら含めクラブ系のノリの曲、が年間どのくらいトップ20に来るのというデータです。(2000年〜2013年)
2000年はおおまかに150曲程度だったと記憶していて、そこから年が経つにつれて徐々に減少します。
20013年には年間50曲程度まで減っていたと記憶しています。
なので、2008年ともなるとそれなりだったのかなと。
その中でこの超良曲でした。
スキニー
デビューバンドとは思えないサウンドの仕上がりだと思います。
良きです。サウンド良き。
エイジアン・ダブ・ファウンデーション
英国版レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンでなぜか笑ってしまいました。
トラヴィス
そうですね。この人達はシングル曲PVの大半を小話仕立てにしてあることに最近気がつきまして、
先日、ヒット曲の大半のPVを見てしまいました。
そして、現状を調べるとヒーリーさんが少しおじいさんみたいな感じなっていて驚きました。
ビリー・マイヤーズ
初めて聞きました。これは売れますね。歌メロが最高に良いうよりかはサウンドが
ラジオ、テレビ、映画など全てに対応するかのような質だと思います。
出だしの5秒で気に入りました。ローゼズぽい出だしが。笑
これかなり良いです。ありがとうございます。15回くらい無限ループしてみます。
サッシュ!
今更で申し訳ございません。彼らのベストアルバムを所持しておりました。
無駄にご報告させていだきます。
リアムさん
シングルがセールス・チャートでなにげに1位でした。
すごいですね。ヤフーニュースに再結成を140億円でも断ったとありました。
カサビアン
ヤフーの記事で見ました。懐かしいですね。デビューあたりではシングルから持っていました。
妻に暴力を振るったらしいです。
クリスマス・ソング関連
今年もチャートにポーグスが来ています。
ベバリー・ナイト
前回の記事でジャネット・ジャクソンの曲のサムネがなぜかどこかで見たことある女性になっていました。
やはりこの女性でした。
クリスマス関連で曲を出したらしく、2002年くらいのヒット曲のPV以来18年ぶりくらいに見まして当時を思い出しました。
the snuts
間違っていたらすみません。ロックバンドです。
今週のシングルでまあまあ売れていたので聞きました。
ファットボーイ・スリムという曲もあって聞きました。この路線のロックは良い意味で進化していない感じで、今の時代もこういうのがパラパラ出てくきてヒットすると楽しくなります。
Tシャツは「いくらグッズとはいえ、Tシャツに3000円以上出すのはなぁ…」と昔は思っていたものですが、現在GUのロックTシャツシリーズが500円以下で買えることに対して「そこまで価値下げなくても…」とか勝手なことを思ってしまいます。
クリスティン・ブロンドの曲はクラブ系楽曲としてかなりのヒットだったようですが、英国に拠点を移してポップ路線のルックス売りをすれば、ポップスターになっていたかも知れないポテンシャルを感じます。楽曲としてはプラチナムの方がヒットしてたんですね。2000年代になってからはチャート追ってなかったので知らなかったです。
ジーザス&メリーチェインは兄弟仲悪しってのが今回特に表れていて、とうとうツアー中にバンドが崩壊してしまいました。サウンドは相変わらずでカッコいいです。流石にフォークテイストロックの多い時代に合っていないので一番売れなかったアルバムになってしまいましたが、自分は好きなので買いました。
エイジアン・ダブ・ファウンデーションは、当時本当に英国版レイジって紹介があったのです。サウンド的にはかなり違うのですが、テーマとか姿勢が似てるのでした。たぶん今回紹介したBuzzin'が代表曲と言えるでしょう。
トラヴィスに関わらず、この時代に活躍していた人は流石に加齢を感じさせます。
ジェイムスのティム・ブースはスキンヘッドになり、オアシス兄弟は白髪が目立っています。変わらないのはダフトパンクだけです。
ビリー・マイヤーズのこの曲はアメリカでも売れたのですが、後が続かなかったので一発屋的な扱いになってしまいました。ヴォーカルに味があるので、楽曲さえよければもう一発行けそうです。
昨年・一昨年とユーチューバーのチャリティソングがクリスマスの1位だったので、今年は特に時世的にチャリティ系の何かが1位になる予感がします。
オアシス再結成、度々話題になりますね。1990~2000年代はスミス再結成の希望的観測が度々話題になりましたが、それを上回る勢いです。
再結成したくない理由はフロントマンであるノエル・ギャラガーが色々語っていて、最近ではツイッターでの弟の発言が気に入らない、という話がありました。
そもそもノエルはソロ活動が上手くいっているので、楽曲製作能力が衰えるか金銭的に困窮しない限り再結成はしないと思います。ままならない弟に振り回されず好きに音楽活動できる現状に満足しているのでしょう。
カサビアンは、件の暴行事件があったのでヴォーカルのトムが脱退したのでしたね。今後どうなるのでしょうか。
今年も総括の時期になりましたが、洋楽はベテラン勢の新曲発表が結構多かった印象があります。〇〇年ぶりの新曲とか、再結成後に久々とか、往年のバンドの新作とか。ライヴできないので曲作る時間がたっぷりあったってことでしょう。
個人的には、アメリカのロックバンドHamの再結成後初の新作アルバムリリースが嬉しかったです。
そうなんです。私も同じこと思っていました。笑^^:
クリスティン・ブロンド
訂正がございます。
プラチナムではなく「プラトナム」でした。(platnum)
アイドル・オーディションの勝者で構成されている3人組でした。
エイチツーオー(H'two'O)はやはりDJ系コンビでした。
プラトナム関係での二発屋さんでした。
クリスマス・シングル
そうですね。ある意味埋め尽くされていました。^^
老齢化問題
ダフトパンク笑^^
今年も早いものでもう総括の時期ですね。
大物さんが新作を出してるようですが、チャートにでもちょろっと顔を出してもらえれば...。
ウェラーさんのサラサラヘアーな曲は先日聞きましたよ。
あと、余談ですが、スポティファイという仕組みで日本のシティ・ポップが世界1位をとったらしいですよ。
それでは今日はこの辺で...。
いつも解説ありがとうございます。
また記事を楽しみしています!