1998年4月3日のチャート情報です。

BEAT UKは97年度から、1月初週と4月初週の年2回分放送が休みになりました。
4月初週回はチャート集計をweb上のみで掲載していましたので、今回はそこからのデータを元に記事にします。


イアン・ブラウンへのインタビュー記事などがあります。

1998年3月31日付HO HOU(ホ・ホゥ)
今週のヘッドライン
98年度夏フェス追加情報
パルプのシークレットショーが開催
バーナード・バトラーのツアーのお供は…


先週からのランキングの
  はダウン
  はアップ
 → は変化なし
N はNew Entry、R はRe-Entryです。
太文字はアーティスト名で、/ の後に曲名が続きます。
基本オンエアそのままの表記ですが、スペルミスや追記が必要そうなときはその都度調整します。
ミュージックビデオはPV(プロモーションビデオの略称)と表記します。

日本語黒字の説明部分は自分の感想です。ご了承ください。

今週は番組自体の放送がなく、情報は旧公式サイトのものを引用しています。
公式サイト上ではシングル・アルバムチャートのみの記載でした。


BEAT UK  April.03.1997

TOP 20
20  N  Bernard Butler / Not Alone

英国のロックバンド、スウェードの初代ギタリストだったバーナード・バトラーのソロ2ndシングルで、英国シングルチャート27位になりました。4月頭には待望のソロ1stアルバム、People Move Onがリリースされます。
彼はこの時代のギタリストとして既に実力者として知られているので、英国ではもちろんですが、スウェードが人気の日本でもソロアルバムはかなり期待されていました。
1stアルバムは彼のギターが堪能できるいい出来のアルバムになり、シングルもいい曲なのでそれなりに売れていましたが、英国チャートは徐々にダンス・クラブ系が増え、ロックの流行はフォーク的アプローチへと向かってゆくので、ブリットポップ最盛期程のチャートアクションにはなりませんでした。
しかしロック好きの支持は絶大で直前に行われたアコースティックライヴは4日間全て完売、98年後半にはツアーが予定されています。

19  ↓   LeAnn Rimes / How Do I Live
18  N  Dannii Minogue / Disremembrance  →PVを見る

オーストラリア出身のシンガーソングライター、ダニー・ミノーグの3rdアルバムGirlからの3rdシングルです。この曲は英国シングルチャートで21になりました。
姉のカイリー・ミノーグとの不仲説は度々報じられ、その度に否定するというパターンに陥っているミノーグ姉妹ですが、この時期にもそういった報道がされていたようです。
姉妹はお互いアイドル系ポップシンガー同士で、更に曲を出すタイミングも被っていることで、雑誌を売るためにメディアはどうしても煽って対決させたいようです。もちろん今回も不仲を否定しましたが、あまりに度々だとメディアに文句のひとつも言いたくなるってものです。
PVはMTV公式サイトで観ることができます。

17  ↓   Five / When The Lights Go Out
16  ↓   Natalie Imbruglia / Big Mistake
15  ↓   Cornershop / Brimful Of Asha
14  ↓   Savage Garden / Truly Madly Deeply
13  ↓   Alexia / Uh La La La
12  N  M People / Angel St

マンチェスターのダンス系グループ、Mピープルの97年リリースの4thアルバムFrescoから最後のカットとなる3rdシングルです。この曲は英国シングルチャート8位になりました。
Mピープルのオリジナルアルバムは今のところこの4thが最後となっていて、以後はベスト盤やリミックス版のリリースが続くことになります。バンドは解散していないので、今度まだ新作アルバムが出る可能性があるかも知れません。
このシングルは2パターンのリリースがあり、カップリングがライヴのバージョンとリミックスバージョンがあります。こういうのは売り上げ集計がどうなっているのかわかりませんが、クラブ系アーティストだと何パターンか同時に出すことがあるようです。

11  ↓   Madonna / Frozen


UK ALBUM CHART
20  Mavericks / Trampoline
19  Shania Twain / Come On Over
18  ABBA / Gold - Greatest Hits
17  Savage Garden / Savage Garden
16  Simple Minds / Neapolis
15  Lighthouse Family / Postcard From Heaven
14  All Saints / All Saints
13  Lionel Richie / Truly - The Love Songs
12  Texas / White On Blonde
11  The Bluetones / Return To The Last Chance Saloon
10    The Corrs / Talk On Corners
  9    The Verve / Urban Hymns
  8    Morcheeba / Big Calm
  7    Natalie Imbruglia / Left Of The Middle
  6    Eric Clapton / Pilgrim
  5    Space / Tin Planet
  4    Finley Quaye / Maverick a Strike
  3    Robbie Williams / Life Thru A Lens
  2    Celine Dion / Let's Talk About Love
  1    Madonna / Ray Of Light


TOP 10
10 ↓   Spice Girls / Stop
 9  N  LL Cool J / Father

アメリカのヒップホップ系アーティスト、LLクールJの97年リリースの7thアルバムPhenomenonからの3rdシングルです。
タイトルはダイレクトに「Father」ですが、彼自身は父親及び継父に虐待され育っていたり、既に二人の子を持つ父であることから複雑な思いがあるのは間違いないでしょう。歌詞を読むと自身の父のことを歌っているようです。また98年には自伝本を出しているので、その辺りのことも話題になっていたかも知れません。
しかしこの時期のLLクールJ関連の話題といえば、間違いなく若手ラッパーのキャニバスと対立したことです。これは先のシングルにもなった4, 3, 2, 1の歌詞の一部を手掛けたキャニバスの歌詞を一部変更したことが発端となり、メディアを巻き込んだディスリ合いっぽくなってしまいました。
結局キャニバスが言い勝った結末になっていますが、LLクールJが大人として受け流したとも評価されているようです。

 8  N  Tin Tin Out featuring Shelley Nelson / Here's Where The Story Ends

ティン・ティン・アウトは英国の二人組ダンスミュージックグループで、特にリミックス製作で定評があります。今回はグループ名義で大きくヒットしチャートインして来ました。
この曲はロンドン出身のシャーリー・ネルソンというシンガーをフィーチャリングした楽曲です。彼女はBEAT UKの98年3月6日回にチャートインしていたレスト・アシュアードのTreat Infamy(ヴァーヴが無断サンプリングした例のストリングスを使った曲)の一部ミックスで参加していました。
そしてこの曲は97年末をもって解散したロックバンド、ザ・サンデイズの同名曲カバーです。源曲は所属レーベルが潰れたため英国でシングルカットされない不運があったものの、アメリカでモダンロックチャートに入ったためロック好きにはそれなりに知られた楽曲です。しかしそれ以外には馴染みのない、知る人ぞ知る名曲になってしまっていました。
このカバーがTop10入りしたことで、更に曲の素晴らしさとティン・ティン・アウトのアレンジ能力が広まったのではないでしょうか。自分は原曲の方が好きですが、このアレンジはいいと思います。

 7  ↓   Texas feat. Wu Tang Clan / Say What You Want
 6  N  Pulp / This Is Hardcore

ブリットポップ最盛期を象徴するのは何もオアシスvsブラーだけではなく、スウェードやクーラ・シェイカー、エラスティカの鮮烈なデビュー…等色々あるのですが、下積みが長かったパルプの台頭、95年のシングルだったコモン・ピープルの大ヒットもその一つです。
この曲は98年3月末にリリースされたパルプの6thアルバムのタイトルトラックで、先行2ndシングルになります。
前置きで「コモン・ピープルのヒットがブリットポップ最盛期を象徴する一つ」と書きましたが、その反面一気にスターバンドになってしまい、特に一番スター性あるヴォーカルのジャーヴィス・コッカーは雑誌に色々書かれたりパパラッチに追いかけられたりして鬱っぽくなった、その結果が6thアルバムThis Is Hardcore全体に表れているのでした。
コモン・ピープルやディスコ2000のようなポップなメロディは失われ、ブリットポップの終焉を予感させる作品ではありますが、新たな一面・挑戦とも捉えることができます。

 5  N  The All Seeing I / Beat Goes On

ザ・オール・シーリング・アイはシェフィールド出身の電子系3人グループです。グループはシェフィールド出身ということもあって、同郷の有名ミュージシャンであるパルプのジャーヴィス・コッカー、ヒューマン・リーグのフィリップ・オーキー等との共同製作もしています。
この曲はグループの2ndシングルで、1967年にソニー&シェールによってリリースされた同名シングルのカバーです。度々カバーされている名曲を現代的に解釈した良カバーで、英国シングルチャート11位に入りました。
1stアルバムPickled Eggs and Sherbetは99年にリリースされます。

 4  N  Robbie Williams / Let Me Entertain You

元テイク・ザットだったロビー・ウィリアムズの1stアルバムLife thru a Lensから、最後のカットとなる5thシングルです。
PVではシングルジャケット童謡ロックバンドのキッス風メイクをしたロビーが歌うもので、スターが皆を楽しませるという感じの歌詞です。
ただこの曲、クィーンにも同じタイトル曲があります。そして何故キッス的扮装なのか。映像に関しては1970年代のロックエンタメを表現し、歌詞はストレートの振りをするゲイの男性ポップスターのことを表現するダブルミーニングになっているそうです。だからあえてゲイ・アイコン的(本人はバイセクシュアルらしいが)なフレディのいるクィーンの曲名と同じにしたのかも知れません。隠れゲイのアーティストは英国ではちょこちょこいるのでしょう。
そういえば98年にはうっかりゲイバレした英国の大物アーティストがいまして、そのうちHO HOUでもニュースになるでしょう。バレたら改めて性指向の宣言しなくちゃならないのも面倒ですが、しないといつまでも噂やらゴシップのネタにされてしまうので、致し方ないところでもあります。

 3  N  Destiny's Child / No No No

ディスティニーズ・チャイルドはアメリカの女性R&B系ティーンズポップグループで、メンバーはビヨンセ、ケリー、ラターヴィア、ラトーヤの4人組です。日本ではデスチャとも呼ばれています。
結成は1990年で、ビヨンセとケリー(従姉妹ということになっていた)の二人がGirl's Tymeというグループの一員として加わったのが始まりでした。
その後オーディション番組への出場やメンバー交代、デビューするも契約解除されるなど下積みが続きますが、これを支えたのがビヨンセの両親で、父はグループのマネージャーに転身する程でした。
96年に現在の名前ディスティニーズ・チャイルドに変更し、97年に大ヒットした映画「メン・イン・ブラック」のサントラに収録されたグループの楽曲Killing Timeが注目され、同年11月にNo, No, NoでデビューしBillboard Hot 100で3位、英国ではこの時期に5位になる鮮烈なデビューになっています。この曲では元フージーズのワイクリフ・ジョンが参加しています。
グループ名を冠した1stアルバムは98年2月にリリースされましたが、デビュー曲の勢いの割にはアメリカではそこそこの売り上げで、むしろ女性グループがたくさん活躍する英国でプラチナ認定になっていました。売り上げ数は英米共に大きな差はないのですが、音楽市場の差を考えれば英国で先行した人気があったと言えます。
彼女らの爆発的ヒットは翌年からになりますので、BEAT UKでもたくさん登場するでしょう。

 2     Celine Dion / My Heart Will Go On


NO.1
       →           Run DMC vs Jason Nevins / It's Like That




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オールウェイズ
ティン・ティン・アウト
EMIミュージック・ジャパン
1998-08-26


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コメント

 コメント一覧 (4)

    • 1. BEATUK
    • 2020年11月06日 18:42
    • 5 今週もお疲れ様です。
      試しにここ1ヶ月、投票ボタンを毎日押してみました。
      私一人ではランキングのトップ20程度が限界のようでした。
      ご了承くださいませ。

      バーナード・バトラー
      歌いうよりもサウンドやネタが好きと感じました。

      LL・クール・J
      エルエルさんはいい人感出ていますが、そんな過去があったとは。

      ティン・ティン・アウト
      このグループてダンス系だったんですね。ポップスの人達かと思っていました。
      そのうちエマ(スパイス)と組んでまた売れます。
      今更なのですが、スパイスガールズの「スパイス」をなぜか持っていたことを
      思い出しました。無駄にご報告いたします。

      パルプ
      イ、インストチック。なんと。時代感じますね。
      まあまあ良いです。
      パルプなんですけど、白いスタジオのPVで
      ギターのリフが「テテテーン、テテテーン(音程下げ)」と延々繰り返すリフが売りの曲あるんですけど先日はまっていました。
    • 2. BEATUK
    • 2020年11月06日 18:43
    • 5 ザ・オール・シーリング・アイ
      初めてですが良いと思います。
      歌の感じ、常にモクモク言ってるUK人ウケしそうな何気ない小ネタのセンス。
      10年くらい前に流行った口笛ソングをなぜか思い出しました。(カール&ビヨン?そんな名前の....)

      ディスティニーズ・チャイルド
      うーむ、売れましたね。
      グループでの売れ具合やソロはほぼリアルタイムでした。
      2004年か辺りの映画「ラストサマー」の2か3にケリーが出ていたんですが、
      こんな大ポップスターが物語途中で無残にも惨殺されていまして少し笑ってしまいました。

      番外編
      最近のロック復活の流れについて。
      去年あたりからアメリカ産ロックがUKに流れてきているらしいです。(今更ですいません)
      トップ20のヒットとはいかないですけど流れが来ただけ良かったと思います。
      今週は50位くらいにUKバンドいました。(なんとかホライゾン)
      音を聞いてみるとリンキンみたいなどハードだけど懐かしい感じの音でした。
      こういう音やギターロックの流れが来るようになればまたUKチャートをチェックしたくなると思いました。
    • 3. びぞ
    • 2020年11月06日 20:37
    • コメントありがとうございます。
      ランキングボタンも押していただきまして、ありがとうございました。設置した当初は自作自演(!)で毎日ボタン押していたのですが、洋楽ジャンルは歌詞和訳サイトが強くてなかなか上位は難しかったです。今見たら和訳サイトは減ってるみたいでした。

      LLクールJは幼少期周囲に恵まれていなかったようですが、そこでグレてギャング化せず音楽を始めたのは母親が協力的だったり、聖歌隊に入っていたりしたからでしょうか。
      下町の貧困地区出身でギャング上がりのラッパーが悪い経験を歌詞にする…というか、そういう経験しかないので前面に出さざるを得ない、ってのは90年代以降の人に多くて、LLさんのように80年代にデビューしたラッパーの面々はもうちょっと楽しい雰囲気を纏っていたと思います。まぁそういうのを抜きにしても、LLさんはスマートな大人なんだと思います。

      パルプの「テテテーン」はBabiesですね。パルプの出世作で、代表曲のひとつでもあります。BEAT UKでも93~95年のライヴコーナーに度々登場していました。そこから思うと98年のThis Is Hardcoreは相当雰囲気が重たいです。

      ティン・ティン・アウトはヒット曲のカップリングされたリミックスで結構名の売れたグループで、TLCやペット・ショップ・ボーイズ、あとチャンバワンバのタブサンピングでもリミックスしていました。
      今回はカバー曲ですが、この時代らしいリズミカルなものになっていました。元曲サンデイズ版はヴォーカルが素晴らしく、そちらもお勧めです。
      エマとの曲は99年でしたか、登場が楽しみです。
    • 4. びぞ
    • 2020年11月06日 23:15
    • ザ・オール・シーリング・アイの今回のカバーは、ソニー&シェールの名曲をこれでもかってくらい最先端化させ、元曲の雰囲気がなくなるレベルの良アレンジでした。
      あと地元出身の有名ヴォーカリストと何人かコラボしているので、結構横のつながりも濃いグループのようです。

      デスチャは説明する必要はないレベルで売れましたね。今回がデビューシングルでしたが、すぐに大スターになってしまいました。

      ロック系はシングルは厳しいですがそれなりには聴かれているようで、アルバムでは1位とか今もよくありますね。
      何とかホライズンはたぶんブリング・ミー・ザ・ホライズンのことでしょう。メタル系フェスで来日してたり、最近ではソニーのスマホのCMソングになっていたので、日本でも結構知名度があると思います。調べたら今年は日本のメタル系アイドル、ベビーメタルとのコラボ曲を発表したらしいです。

      ロック系といえばイアン・ブラウンが最近出した新曲ってのがまたすごくて、歌詞が「ロックダウンも検査にワクチンやマスクはいらねえ」的な時代に逆行したものでした。
      これについて英国在住の方が言うには、英国北部の人間はロンドン(南部)に虐げられていた歴史があるので、何が何でも政府の批判をせずにはいられない根強い伝統がある、ということでこんなトンデモ政府憎し的な歌詞になったようでした。
      これを踏まえると、モリッシー(マンチェスター出身)のしつこい政治批判にも合点がいくってものです。
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