1997年8月15日のオンエア情報です。

BEAT UKの後継番組として、2002年5月から新番組「THE BEAT」が放送されていました。
これも公式サイトがあって、番組内容が日英両方の言語で紹介されているありがた~い仕様になっています。
ただこちらの公式サイトは現在既に閉鎖されているので、Internet Archiveで相当掘って探さないと情報が得られません。
検索機能が未熟だったゆえに、情報が年単位で一覧になっているBEAT UK公式サイトの方が調査は楽です。

1997年8月12日付HO HOU(ホ・ホゥ)
今週のヘッドライン
どうなる?プロディジー
ヴァーヴがタダ働き?(Bitter Sweet Symphonyの話ですね)
トリッキーがドリームワークスと契約


先週からのランキングの
  はダウン
  はアップ
 → は変化なし
N はNew Entry、R はRe-Entryです。
太文字はアーティスト名で、/ の後に曲名が続きます。
基本オンエアそのままの表記ですが、スペルミスや追記が必要そうなときはその都度調整します。
ミュージックビデオはPV(プロモーションビデオの略称)と表記します。

英語テロップはBEAT UKの放送から引用しています。
緑字の部分は旧公式サイトからの引用です。
日本語黒字の説明部分は自分の感想であり、翻訳ではありません…が、時々適当に訳してることもあります。ご了承ください。


BEAT UK  August.15.1997 On Air 
Voice / Neil Fox

OPENING
Jay-Z / Who You Wit
The East Coast rapper remains on good form after his Top 10 collaboration with Foxy Brown, this is his first release for the 'Sprung' soundtrack.
東海岸のラッパーが、フォクシー・ブラウンとのコラボレーションによってトップ10入りした時の姿勢を崩さすに、この新曲をリリース。これが、映画“Sprung”のサントラからの、最初のリリースとなる。


TOP 20
20 ↓   The Verve / Bitter Sweet Symphony
19 N  Snakebite / The Bit Goes On   PVなし

With a driving bassline 'big beats', Snake Bite is the work of high profile Italian production duo Pagano-Mazzavillani and Guido Callandro.
うねるベースラインとビッグ・ビートを従えたスネークバイトは、イタリアの著名プロデューサー・デュオ‘Pagano-Mazzavillani’と、Guido Caliandroによるユニット。
SnakebiteはイタリアのプロデューサーであるCiro Pagano、Guido Caliandro、Stefano Mazzavillaniの3人グループです。
この曲はこの名義での1stシングルであり、英国チャート25位に入りました。しかし以後はこの名義で曲を出すことはありませんでした。
今回この曲の音源リンクは貼ってあるのですが、リミックスバージョンしか発見できませんでした。放送されたのはTimelessバージョンというものです。サビはアンダーワールドのRezっぽいです。

18 N  Airscape / Pacific Melody

Airscape are DJ Johan Gielen, who has previously played at Japan's 8,000 capacity Velfarre club, and friends Peter Ramson and Sven Maes.
エアスケープは、先日日本にあるキャパシティ8千人のクラブ・VelfareでプレイしたDJ Johan Gielenと、その友達Peter Ramson、Sven Maesのユニット。
エアスケープはベルギー人のトランス系グループで、93年のデビュー以降メンバー変遷はあるものの、現在では二人組として活動しています。
97年頃になるとトランスはクラブでは定着しつつあって、当時あった大規模クラブのヴェルファーレでもプレイしたとあるように、日本のクラブでもかかっていたと思います。
だけどヴェルファーレはクラブとしてはかなり大きかったけど、8,000も入るハコじゃなかったはず。何か大きいイベントと間違えたのでしょうか。

17 ↓   Sash! featuring Rodriguez / Ecuador
16 N  Makaveli / Toss It Up

Despite the East/West coast conflict, Notorious B.I.G. & 2 Pac (aka Makaveli) will be remembered together as who brilliant artists murdered at their peak.
東/西海岸の違いはありながらも、ノートリアスB.I.G.と2Pac(ことマカヴェリ)は、絶頂期に闘争に巻き込まれて殺害された2人の優れたアーティストとして、共に記憶され続けることだろう。
2パックがマキャベリ名義でリリースした96年のアルバムThe Don Killuminati: The 7 Day Theoryからのシングルで、亡くなってからすぐの96年9月末に既にリリースされています。
この時期に再発したのか何かあったのかはわかりませんが、英国ではこの時期にシングルヒットしています。
PVはなんと銃撃される前日に撮影されたそうで、彼が生きていた最期の姿をこれで確認することになってしまいました。

15 N  Stretch 'n' Vern presents Maddog / Get Up! Go Insane!

A 'big beats' remake of House Of Pain's 1992 classic 'Jump Around', 'Get Up! Go Insane!' is the duo's second release after their smash hit 'I'm Alive' in '96.
92年に発表されたハウス・オブ・ペインの“Jump Around”をリメイクしたこのビッグ・ビート・デュオが、96年のヒット曲“I'm Alive”に続くセカンド・シングルをリリース。
ロンドンを拠点に活動する二人組で、96年にアース・ウィンド・オブ・ファイアーを大胆にサンプリングしたI'm Aliveを出していたことでも知られています。
今回はハウス・オブ・ペインを早回しにしたサウンドに乗せたものになり、この曲でも大胆さが際立ちます。
この頃もう「ビッグ・ビート」というジャンルが一般的に知れ渡るようになっていたようです。

14 N  Levellers / What A Beautiful Day

The Brighton based Levellers return to the charts with their first hit since 1992, though they still haven't managed to break into the Top 10.
ブライトン発のレヴェラーズが、実に1992年以来のヒット曲を引っ提げてチャートに戻ってきた。しかしながら、それでもトップ10には及ばなかった。
ブライトンのフォークロックバンド、レヴェラーズの新譜がリリースされました。この曲は97年8月後半にリリースされる5thアルバム、Mouth to Mouthの先行シングルです。
BEAT UKではシングルチャート10位以内にも入ることがありますが、英国公式シングルチャートではTop10に入ったことはなく最高11位止まりです。このシングルは最高13位でした。
とはいえレヴェラーズは英国では人気のあるロックバンドなので、夏フェスには引っ張りだこなのでした。

13 ↓   Boyzone / Picture Of You
12 ↓   Ultra Nate / Free
11 ↓   Coolio feat. 40 thevz / C U When U Get there


ON STAGE
The Smashing Pumpkins / Bullet With Butterfly Wings

1997年7月4日(金)、ユーロケネス'97からスマッシング・パンプキンズのステージです。


NEW RELEASES
Shola Ama / You're The One I Love
The 17 year old is back to prove she is no hit wonder. Following her gold selling debut 'You Might Need Somebody' this single justifies the hype.
17歳の彼女が、一発屋ではないことを証明するために舞い戻ってきた。ゴールド・ディスクとなったデビュー曲“You Might Need Somebody”に続くこのセカンドは、更に躍進すること間違いなし。

Cast / Live The Dream
Having their gigs described as a 'religious experience' by Oasis' Noel Gallagher, Cast continue promoting their second album on the live and festival circuit.
オアシスのノエル・ギャラガーがキャストのギグの感想を「宗教的な体験」と表現。その彼らは現在、ライヴやフェスティバルで精力的にプレイし、セカンド・アルバムのプロモーションを展開中。

Mark Owen / I Am What I Am
Mark is presently touring Europe promoting his debut solo album 'Green Man', co-produced by John Leckie of Stone Roses and Radiohead fame.
マークは只今彼のソロデビュー・アルバム“Green Man”のプロモーションのため、ヨーロッパをツアー中。このアルバムは、レディオヘッドやクーラ・シェイカーのプロデューサーとしても知られるジョン・レッキーとの共同プロデュースによる作品。


UK ALBUM CHART
アルバムタイトルの後の(カッコ内)は、放送されたPVです。
20  Sash! / It's My Life - The Album
19  Alisha's Attic / Alisha Rules The World
18  Brand New Heavies / Shelter
17  The Dreamkeeper / Spirit Of Relaxation
16  Spice Girls / Spice
15  Beck / Odelay
14  U2 / Pop
13  No Doubt / Tragic Kingdom
12  Skunk Anansie / Stoosh
11  Primal Scream / Vanishing Point

10  Michael Jackson & Jackson Five / The Best Of
  9  Teenage Fanclub / Songs From Northern Britain
  8  Paul Weller / Heavy Soul
  7  Puff Daddy / No Way Out
  6  Fun Lovin' Criminals / Come Find Yourself
  5  Sheryl Crow / Sheryl Crow  (A Change Would Do You Good)
  4  The Seahorses / Do It Yourself
  3  Radiohead / OK Computer
  2  Texas / White On Blonde
  1  The Prodigy / The Fat Of The Land  (Firestarter)


REQUEST
Mercury Rev / Chasing A Bee

マーキュリー・レヴは、アメリカのニューヨーク州バッファローで1989年に結成されたオルタナティヴロックバンドです。サウンド的にはサイケロック、ドリームポップ的な感じです。フレーミング・リップスとアルバムを共同製作することも多く、両者は似た音楽性でもあります。
本国アメリカよりも英国での人気が高いのですが、97年当時はまだ大きなヒットはなく、知る人ぞ知るバンドでした。
結成のきっかけは自分たちの実験映画の音楽を製作するためでした。91年には 1stアルバムをリリースし、このシングルは1stアルバムからのものです。
95年リリースの3rdアルバムがあまり売れなかったため自信を無くしていたようですが、ケミカル・ブラザーズのThe Private Psychedelic Reelを共同製作したことから奮起し、マーキュリ・レヴは次回作のレコーディングを始めたようです。
98年9月には4thアルバムDeserter's Songsがリリースされ、高い評価を受けることになります。


SPECIALIST CHART
WORLD ALBUM CHART - PARIS
Jamiroquai / Travelling Without Moving  (Cosmic Girl)
放送されたのはパリチャートのこちらですが、公式サイトではダブリンのチャートが掲載されていました。

WORLD ALBUM CHART - DUBLIN
1  The Prodigy / The Fat Of The Land
2  Texas / White On Blonde
3  Various Artists / Now 37
4  Radiohead / OK Computer
5  The Seahorses / Do It Yourself


ONES TO WATCH
Glasshouse / Amelia Rose
The UK's up & coming Glasshouse can count Aska, one half of the massive Japanese duo Chage & Aska, as one of their biggest fans!
グラスハウスのしなやかなヴォーカリスト、アーヴィン・ベッドワードは、先日日本で大人気のデュオ、チャゲ&飛鳥のアスカから、お気に入りのアーティストとして取り上げられた。
Ervin Bedwardは、Askaソロの楽曲Oneの共作者でもあるシンガーソングライターで、以前BEAT UKでも紹介したチャゲ&飛鳥の曲を洋楽アーティストに歌わせたコンピ盤「One Voice」にも参加していました。
しかしPVも製作されたにもかかわらずこの曲は結局リリースされず、プロモ盤が一部で出回って終わってしまったようです。以後この名前で音源をリリースした記録はないようで、音楽キャリアの詳細はわかりませんでした。

Missy Elliott / The Rain (Supa Dupa Fly)

Far from an overnight success rapper/singer Missy and long time partner Timbaland took only an hour to create SWV's 'Can We'.
一夜にして大スター、とは無関係のラッパー/シンガーであるミッシーとその古きパートナー、ティンバランドは、SWVのヒット“Can We”を創作するのに、一時間とかからなかった。
90年代後半から2000年代にかけて大ブレイクしたアメリカの女性ラッパー、ミッシー・エリオットの登場です。
彼女はR&BグループのSistaやJodeciのデヴァンテ・スウィングが見出した新人群Swing Mobのメンバーを経て、97年7月にソロ1stアルバムSupa Dupa Flyをリリースしました。この曲はアルバムの先行1stシングル及びソロデビューシングルで、英国シングルチャートでは16位になっています。
アルバムリリース前にはリル・キムなどに楽曲提供をしているので、こちらのブログでもちょいちょい名前が挙がっていましたが、これから本格的にブレイクしていくことになります。

Arnold / Twist

Following a successful performance at the recent Phoenix Festival, record label Creation's answer to Radiohead release their second single 'Twist'.
フェニックス・フェスティバルでのステージが成功を収めた彼ら。クリエイション・レーベルの「レディオヘッドに対する返答」である彼らのセカンド・シングル、“Twist”がリリースされる。
アーノルドは96年の冬に結成されたロックバンドで、上記の通りクリエイション・レコードからの3ピースバンドです。「しばらくは新人バンドと契約しない」と言っていたクリエイションのアラン・マッギーが契約した!という触れ込みで紹介されていました。この経緯は公式HPにも記載されています。
97年5月に1stアルバムThe Barn Tapesをリリースし、この曲は1stシングルになっています。また日本盤アルバムは7月にリリースされています。


WORLD GIG GUIDE
EUROPE
Radiohead /  The Dome Leisure Centre - Doncaster, UK  2 September /
 Bridlington Spa - Bridlington, UK  4 September /
 Caird Hall - Dundee, UK  5 September
 →2日4日5日のセットリスト

NORTH AMERICA
Wu-Tang Clan / Riverport Amphitheater - Maryland, Heights, USA  31 August /
 Target Center - Minneapolis, Minnesota, USA  3 September /
 Starplex Amphitheater -Dallas, Texas, USA  5 September

ASIA
Natural High Festival '97 / Echigo Yuzawa Ski Resort - Niigata, Japan  30/31 August
Boredoms / The Jon Spencer Blues Explosion / Mijk Van Dijk / Sven Vath
「主催者側の都合により中止になりました」とのテロップがありました。

The Jon Spencer Blues Explosion / Club Citta Kawasaki - Yokohama, Japan  1 September
The Charlatans / Blitz - Tokyo, Japan  2/3 September /
 Diamond Hall - Nagoya, Japan  4 September
この時3日の赤坂ブリッツ公演はカメラが入り、NHKでフルライヴが放送されました。2日のセットリストと曲順は同じで、それに加えアンコール曲も放送されました。

3 Colours Red / Club Quattro - Tokyo, Japan  4/5 September


FEATURE
UK DANCE INVASION IN THE US
アメリカを席巻したイギリス・ダンス・ミュージック!

Years after They invented the genre via Detroit techno legend Derrick May, the US is finally taking an interest in dance music with UK acts doing particularly well.
デトロイトの伝説的なテクノDJ、デリック・メイを介してダンス・ミュージックを構築したアメリカが、数年かけてようやくこのジャンルに興味を持ち始めた!

今回紹介されるのは英国のクラブ系アーティストがアメリカで人気を博している、という特集です。
こちらの4アーティストは偶然にも、日本では「テクノ四天王」…どこかのCDショップか雑誌の煽り文句でしょうが…という紹介のされ方をしていた面々です。

アメリカで1997年に英国クラブ系アーティストが注目され始めた理由の一つとして、ペリー・ファレルが主催するアメリカの各地を回るフェスツアー、ロラパルーザでクラブ系のアーティストを新たにラインナップに入れたことにあるでしょう。
またプロディジーがマーヴェリックと大きな契約をしたのも話題になりました。


Orbital / The Box

Orbital collaborated with Metallica's Kirk hammett this year on a reworking of 'Satan' for the soundtrack to the 'Spawn' movie.
オービタルがメタリカのカート・ハムネットとのコラボレーションにより、“Satan”を再生。これは映画“Spawn”のサントラに収められる。
オービタルはフィルとポールのハートノル兄弟による二人組です。
サウンド的にはアシッド系テクノを主体にしていますが、アルバムごとに若干音楽性が変わったりして、初期のプログレッシブ・ハウス調の曲(Halcyon+on+on、Belfast、Chimeなど)が最も有名かも知れません。
四天王(とあえて言うが)の中では若干影が薄いと感じる方もいると思いますが、日本では早いうちから紹介され高い認知度があります。またライヴの盛り上がりは結構アグレッシブで、NMEアワードのベストライヴアクト賞に選出されたこともあります。個人的には今回紹介された中ではオービタルが一番好きなグループです。
映画関係では上記テロップの「スポーン」以外にも、スパイ映画「The Saint」のテーマ曲リメイクも行っています。
2度の解散を経て活動再開し、最近では2017年のソニックマニアで来日。2018年に最新アルバムMonsters Existをリリースしています。

The Chemical Brothers / Setting Sun

The Chemical Brothers made it into the US top 40 twice, via the soundtrack to 'The Saint' as well as their own second album, 'Dig Your Own Hole'.
ドレッドゾーンやケミカル・ブラザースも参加している“The Saint”のサントラは、アメリカでトップ40入りのヒットを飛ばした。また、ケミカル・ブラザース自身のニューアルバム“Dig Your Own Hole”も、同時期にトップ20入りを果たしている。
ケミカル・ブラザーズはマンチェスターでトム・ローランズとエド・シモンズによって結成された二人組です。最初期はダスト・ブラザーズと名乗っていましたが、アメリカの同名ヒップホップグループに訴えられそうになって現在の名義になりました。
サウンド的にはテクノにヒップホップ要素を入れたこの頃の新ジャンル「ビッグ・ビート」ですが、この名前ができる前はグループの名を取って「ケミカル・ビート」と呼ばれていました。
ファクトリー・レコードが経営していた地元の有名クラブ「ハシエンダ」でDJを始め、やがてロンドンのクラブイベント「ヘブンリー・サンデー・ソーシャル」を伝説級にまでしたグループでもあります。このイベントには若手ミュージシャンの出入りも多く、この時知り合った面々が以後のフィーチャリング曲群にも繋がっていったのでした。
現在ではフェスならヘッドライナークラスの大物アーティストになり、2019年4月には9thアルバムNo Geographyをリリースしました。

Underworld / Born Slippy

Underworld originally sold relatively few copies of 'Born Slippy' before being introduced to the US mainstream via the Trainspotting' soundtrack.
アンダーワールドの“Born Slippy”自体の売り上げは大したことはなかったが、この曲は“トレインスポッティング”のサントラを媒介して、アメリカのメインストリームに紹介された。
アンダーワールドはカール・ハイド、リック・スミス、ダレン・エマーソンの3人組グループです。
このグループは前身となるニューウェーブバンドFreurを1982年に結成したことで音楽キャリアが始まりました。
1987年にアンダーワールドへ名前を変えますが、レーベルから契約を切られメンバーも脱退し解散状態になり、その後92年にDJのダレン・エマーソンをメンバーに迎えテクノグループになります。
テクノフリークの間では3人態勢になってからリリースされた「Rez」を皮切りに早いうちから絶大な人気がありましたが、一般層にまで認知されたのは映画「トレインスポッティング」で使われた楽曲Born Slippyになります。
2002年にダレン・エマーソンが抜けて二人グループになり、現在でも人気を博すベテランデュオであり続けています。最近ではスタジオアルバムとは別に「Drift」と冠された超かっこいいコンピレーションシリーズを自主レーベルからリリースするなど、活発な活動をしています。

The Prodigy / Poison

The Prodigy signed to the Maverick label for the US and went straight to no.1 in their album chart while creating a stir live on stage during Lollapalooza '97.
プロディジーはアメリカでの契約をマドンナのレーベル・マーヴェリックと交わし、彼らのニューアルバムはチャートの初登場第1位に輝いた。そんな折、彼らはロラパルーザでのステージで、ツアー仲間をステージからたたき落としていたそうだ。
プロディジーはフロントマンのリアム・ハウレットが作曲をし、それに加えMC1人ととダンサー3人を擁するハードコアテクノグループとして始まりました。97年当時の体制はシンセ・MC・ダンサー・ダンサー兼ヴォーカルの4人体制です。
ハードコアの定義も時代と共に細分化され変わるのですが、プロディジーは主流のハードコアテクノやドラムンベースではなく、ロック要素を入れライヴを重要視する独自路線として発展しています。
またオービタルの話の中で出てきた映画「スポーン」のサントラで、プロディジーはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリスト、トム・モレロとコラボ参加をしています。
その後ダンサーのリロイ・ソーンヒルが脱退し、しばらくはリアム・ハウレット1人でレコーディングをするなど解散の危機もありましたが復活し、挑戦的な作品をリリースし続けていました。
しかし2019年にプロディジーのアイコンとなっていたヴォーカルのキース・フリントが亡くなり、活動休止になってしまいました。
8月に入ってレコーディングを始めたと報道がなされ、今後の動向が注目されています。


この時代の英国におけるテクノの源流は、上記にある通りデトロイト・テクノにあります。
1987年頃からデトロイト・テクノは英国で流行し、更にアシッドハウスの流行と共にレイヴカルチャーへと発展しました。
レイヴが盛り上がっている時代にはロックバンドがダンス的要素を取り入れたり、またはダンスグループへと鞍替えするグループがいくつもあるくらいでした。
時代は変わり、ヨーロッパでダンスミュージックはレイヴからアシッドハウス、ハードコアテクノ、プログレッシブハウス、ジャングル、トリップホップ、ドラムンベース、トランス、ビッグ・ビートに至るまで流行の変遷は早く、中にはブリットポップブームでロックバンドに鞍替えしてデビューするダンスグループがいたりしました。(SFAなど)
テクノとカテゴライズされつつも違った音楽性になった彼らはアメリカでも活躍し、この時期絶頂期を迎えているのでした。


WEBSITE OF THE WEEK
BUK8月号
テレタビーズ公式サイト(1999年11月当時)
テレタビーズは97年3月からBBCで放映されている幼児向け番組で、子持ち家庭のみならず一般層にまで人気が拡大しています。詳細はそのうちBEAT UKでも紹介される日が来るでしょう。


TOP 10
10N  Paul Weller / Brushed
 
This is Weller's first from his recent album 'Heavy Soul' released to coincide with his live dates in the UK this month.
このシングルが、彼のニューアルバム“Heavy Soul”からのファースト・シングルとなる。今月敢行されるUKツアーの日程に合わせてリリースされた。
ポール・ウェラーのソロ4thアルバムHeavy Soulが6月にリリースされ、そこからの2ndシングルです。1stシングルは96年にリリースされているPeacock Suitです。
前年に所属していたレーベルGo!Discsが売却されてしまいましたが、ポール・ウェラーはGo!Discsのーナーだったアンディ・マクドナルドが新たに設立した新レーベルへと移籍しました。
ソロデビューする際になかなか契約が決まらなかった際、拾ってもらった恩があるのかも知れません。

 9→  The Mamas & The Papas / California Dreamin'
 8 ↓   Oasis / D'you Know What I Mean?
 7 N  Notorious B.I.G. / Mo Money Mo Problems

While this track, his biggest to date bursts into the Top 10, B.I.G.'s tribute song from boss Puff Daddy & wife Faith Evans remains at the top of the charts.
この曲がB.I.G.にとって最大のトップ10ヒットとなったが、ちょうど今そのチャートのトップには、彼のボスだったパフ・ダディと彼の妻、フェイス・エヴァンズのB.I.G.に捧げられた曲が居座っている。
ノトーリアスB.I.G.が97年3月に暗殺され、同月末にリリースされた2枚組アルバムLife After Deathはもの凄い勢いで売れまくりました。
この曲はそこからの2ndシングルで、英国ではパフ・ダディの曲が1位のままでこちらは6位止まりでしたが、アメリカのBillboard Hot 100では見事1位になり、もはや伝説になってしまいました。
フィーチャリングにはパフ・ダディとメイスを起用しています。

 6 N  Peter Andre / All About Us

Peter Andre returns with a 'new image' and a promise not to rely too heavily on the attributes of his chest for promotion in future!
ピーター・アンドレがイメージを一新して帰ってきた。これからは、プロモーションの重点を胸元にばかり置かない、と約束。
英国生まれ・オーストラリア育ちのシンガー、ピーター・アンドレの新曲です。前作アルバムのPV群では若手アイドルっぽい肉体美のチラ見せが多かったのですが、20代半ばになってもっとアーティスティックな部分を出してゆくことにしたのでしょう。とはいえ実際に大人っぽい雰囲気になるのは2000年代後半からなので、しばらくはアイドルとして見られてしまうでしょう。
この曲はアメリカのヒップホップ・ソウルアーティストのモンテル・ジョーダンが製作したもので、97年11月にリリースされる3rdアルバムは全体的にR&Bに寄った作品群になります。

 5 ↓   Backstreet Boys / Everybody (Backstreet's Back)
 4   Meredith Brooks / Bitch
 3→  Gala / Freed From Desire
 2 N  Texas / Black Eyed Boy
 
From the reinvented sound of Texas' gold selling album 'White On Blonde' comes this single which looks likely to be their second biggest hit to date.
ゴールド・ディスクとなった彼らのアルバム“White On Blonde”からのニューシングルとなるこの“Black Eyed Boy”は、彼らの音を再構築したかのようだ。そしてまた、この曲は現時点で彼らにとって2番目に成功した曲となる。
グラスゴー出身のロックバンド、テキサスの97年2月リリースの4thアルバムWhite On Blondeからの3rdシングルです。
既に4thアルバムはチャート1位になるヒットアルバムになっていますが、こちらのシングルがリリースされるとまたアルバムチャートに登場しました。
シングルは英国シングルチャートで5位でしたがこちらでは2位だったので、ヴァージンメガストアではとてもよく売れていたのでしょう。


ON STAGE
Neneh Cherry / Manchild
1997年7月5日(土)、ユーロケネス'97二日目からネナ・チェリーのステージです。同じ映像は発見できませんでした。


NO.1
       →     Puff Daddy featuring Faith Evans / I'll Be Missing You




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