1997年1月17日のオンエア情報です。

1996年後半辺りから、少し番組仕様の変化がありました。
19970117_1
19970117_2
解説テロップが最大四段になり、フォントが細めのものになっています。
この仕様は97年3月まで続きます。

今週のヘッドライン
カート・コバーンは他殺だった?
NMEアワード・ノミネート発表
プロディジー、アメリカ進出へ


96年12月最終週からのランキングから
  はダウン
  はアップ
 → は変化なし
N はNew Entry、R はRe-Entryです。
太文字はアーティスト名で、/ の後に曲名が続きます。
基本オンエアそのままの表記ですが、スペルミスや追記が必要そうなときはその都度調整します。
ミュージックビデオはPV(プロモーションビデオの略称)と表記します。

今週回は年末年始に特別回を挟んだ関係上、チャート上下表記に若干乖離があります。

英語テロップはBEAT UKの放送から引用しています。
緑字の部分は旧公式サイトからの引用です。
日本語黒字の説明部分は自分の感想であり、翻訳ではありません…が、時々適当に訳してることもあります。ご了承ください。


BEAT UK  January.17.1997 On Air 
Voice / Neil Fox

TOP 20
20 ↓   Warren G feat. Adina Howard / What's Love Got To Do With It
19 N  Runrig / The Greatest Flame

These Scottish based veterans were 1st band to play on the famous bands of Loch Lomond in 1991 to a crowd of 50,000, 5 years before Oasis!
このスコティッシュを基盤としたベテランたちは、1991年に5万人の聴衆を集めて、有名な堤防Loch Lomondでプレイした最初のバンド。
ランリグは1973年に結成された、スコットランド北部スカイ島出身のフォークロックバンドです。96年10月ににベストアルバムLong Distanceをリリースし、このシングルはそこに収録された93年リリースのThe Greatest Flameのリミックス版です。
この頃ヴォーカルのドニー・マンローは政界に進出するため脱退し(しかし落選)、97年8月に脱退前最後のライヴを行いました。このライヴは映像化されています。
40年以上続いていたバンドでしたが2017年に解散し引退すると発表され、2018年8月に最後のライヴが行われました。ライヴは1回の予定でしたが、あまりにも早くチケットが完売してしまったため追加公演が行われました。

18 ↓   Whitney Houston / Step By Step
17 ↓   Faithless / Salva Mea
16 ↓   Damage / Forever
15 ↓   Jamiroquai / Cosmic Girl   PVありになりました
14 ↓   Boyzone / A Different Beat
13 N  Kenickie / In Your Car

This third single from the Laveme/Du Santiago writing team follows their appearance at the 'Ash Christmas Extravaganza' in Dublin last year.
LaverneとDu Santiagoのソングライター・チームによって書かれた彼女たちの3枚目のシングルは、ダブリンで行われたアッシュの‘クリスマス・特別ショー’出演後にリリースされた。
ケニッキーの3rdシングルで、英国シングルチャート24位に入ったバンドを代表する曲です。1stアルバムAt the Clubは97年5月にリリースされます。
バンドは1月10日、英国の音楽番組Top of the Popsに出演してこの曲を披露しています。

12 N  Tricky / Tricky Kid

Tricky claims that this third single from his highly acclaimed album of last year, "Pre-Millennium Tension" is an autobiography in rhyme.
トリッキーは、大絶賛アルバム“Pre-Millennium Tension”からの3枚目のシングル・カットとなるこの曲を、彼自身の自伝的作品であると公言している。
トリッキーの96年11月にリリースされた3rdアルバム、Pre-Millennium Tensionからの2ndシングルです。こういう系統の曲がシングルチャートに入って来るのは正直凄いなと思うのですが、この頃はトリップホップが評価された、そういう時代だったのでした。
この曲の一部シングルにはSub Subとのコラボ曲Smoking Beaglesが入っているのですが、これが結構いい曲で、こっちもシングルにしたらいいんじゃないかなと思いました。

11 N  Kavana / I Can Make You Feel Good

British teen heart-throb Kavana's latest single from his debut album is a cover of US band Shalamar's 1982 dancefloor classic.
英国ティーンエイジャーの憧れの的・Kavanaのデビューアルバムからの最新シングルは、USバンド・Shalamarの1982年のカバー曲。
テイク・ザットのマネージャーに見出され96年にデビューした、マンチェスター出身のソロアーティストです。本名は Anthony Kavanaghといいます。
この曲はシャラマーの同名曲カバーで、シングルチャート8位に入りました。テロップにはデビューアルバムの話がありますが実際にリリースされるのは97年4月で、アルバムリリース直前にもう一枚シングルがリリースされます。


ON STAGE
Placebo / Nancy Boy
1996年7月18日(木)、Phoenix Festival '96初日からのステージです。この曲は1stアルバムに入っているもので、もうすぐシングルカットされます。同じ映像は発見できませんでした。


NEW RELEASES
George Michael / Older
George Michael's latest the title track from his multi-platinum selling album of last year which spawned three consecutive number one single.
これが、去年3枚のナンバー1ヒット・シングルを生み出したジョージのマルチプラチナ・アルバムからの最新タイトル曲シングル。

Backstreet Boys / Quit Playing Games (With My Heart)
The official 'Biggest boy band in the world' are currently in the studio recording their 2nd album and have plans for a world tour in early Spring.
彼らはただいまセカンドアルバムのレコーディング中。春にはワールドツアーが予定されている。

Gene / We Could Be Kings
This new single from their much anticipated forthcoming album, "Drawn To The Deep End" features a cover of The Jam track, "Wasteland".
この新曲は、彼らのもうすぐ発売となるアルバム“Drawn To The Deep End”からのカットで、ジャムのカバー、“Wasteland”が収められている。


UK ALBUM CHART
アルバムタイトルの後の(カッコ内)は、放送されたPVです。
21  Boyzone / A Different Beat
20  Simply Red / Greatest Hits  (Stars)
19  Toni Braxton / Secrets
18  East 17 / Around the World Hit Singles: The Journey So Far
17  Alanis Morissette / Jagged Little Pill
16  Oasis / (What's The Story) Morning Glory?
15  George Michael / Older
14  Crowded House / Recurring Dream
13  Space / Spiders  (Neighbourhood)
12  Ocean Colour Scene / Moseley Shoals
11  Robert Miles / Dreamland

10  Fugees / The Score
  9  Lighthouse Family / Ocean Drive
  8  Sheryl Crow / Sheryl Crow
  7  The Beautiful South / Blue Is The Colour
  6  Various Artists / Evita - OST
  5  Kula Shaker / K  (Hey Dude!)
  4  Celine Dion / Falling Into You
  3  Manic Street Preachers / Everything Must Go
  2  Jamiroquai / Travelling Without Moving
  1  Spice Girls / Spice  (Say You'll Be There)


WORLD ALBUM CHART
PARIS
Stevie Wonder / Song Review A Greatest Hits Collection
Zucchero / Best Of Sugar Fornaciari's Greatest Hits
Noir Desir / 666667 Club
Alanis Morissette / Jagged Little Pill
Celine Dion / Falling Into You

VIENNA
Phil Collins / Dance Into the Light
Joe Cocker / Organic
Snoop Doggy Dogg / Tha Doggfather
Nirvana / From the Muddy Banks of the Wishkah
REM / New Adventures In Hi-Fi

TOKYO
Jamiroquai / Travelling Without Moving
Stevie Wonder / Song Review A Greatest Hits Collection
Babyface / The Day
Spice Girls / Spice
Vanessa Williams / Alfie Best Of Vanessa Williams

 →1997年1月14日付の世界7か所チャート


REQUEST
Manic Street Preachers / Motorcycle Emptiness

マニック・ストリート・プリーチャーズの92年にリリースされた1stアルバム、Generation Terroristsからの5thシングルです。「享楽都市の孤独」という邦題がついていました。元タイトルについていたバイクは吹っ飛んだのかな?
パンク色の強いアルバムですが、この曲はゆっくりめです。しかし歌詞は初期のマニックス節を大いに感じる批判精神や孤独が描かれています。
PV撮影は92年にプロモーション来日した際行い、東京・横浜等を巡っています。
またマニックスの直近のシングルであるAustraliaには、アポロ440が手掛けたこの曲のリミックスが収録されています。そして2002年にリリースされたベスト盤にも収録され、再びシングルカットされました。


CHART BREAKERS
Beth Orton / Touch Me With Your Love
Beth has contributed vocals to the forthcoming Chemical Brothers album and will be performing at the N.M.E. Brat shows later this month.
ベスは、ケミカル・ブラザースの次のアルバムにヴォーカルとして参加。また。今月末行われる音楽紙NME主催のブラット・ショウでプレイする。

Coldcut / Atomic Moog 2000

Coldcut's new album, "Back By No Demand" will include a CD-ROM featuring several videos and interactive programs for home computers.
コールドカットの新しいアルバム“Back By No Demand”は、ヴィデオとインタラクティブ・プログラムがフィーチャーされたCD-ROM付で発売される。
コールドカットは1986年に美術教師のJonathan MoreとプログラマーのMatt Blackによって結成されたグループで、この時点で10年のキャリアがあります。彼らは近年におけるダンスミュージック、特にサンプリングや映像とのコラボ等常に革新的な技術を使って早くから注目され、90年代には美術作品とのコラボもしています。
この新曲はBoot The System との両A面シングルで、CD版は7曲+1曲映像付きの豪華仕様になっています。ただこの形式がシングルCDとして認められず、シングルチャートから除外されてしまったようです。
CD-ROM付新作アルバムは97年9月にリリースされ、タイトルはLet Us Play!になりました。

MC Lyte / Cold Rock A Party
MC Lyte secured her position in hip hop history back in '88 when she was just 16, with her debut single, "I Cram To Understand (Sam)".
このニューヨーカーのヒップホップ界に於ける最初の地位確保は、1988年、彼女が僅か16歳の時に遡る。そして今回、彼女は最新アルバム“Bad As I Wanna B”からこのシングルをリリース。


WORLD GIG GUIDE
EUROPE
Pavement / Mean Fiddler - Dublin, Ireland  19 January /
Art School - Glasgow, UK  21 January / Astoria Theatre - London, UK  23 January

Sting / Music Hall - Hannover, Germany  24/25 January

NORTH AMERICA
Metallica / McNichols Sports Arena - Denver, Colorado, USA  24/25 January

ASIA
Luscious Jackson / W'ohol - Osaka, Japan  18 January
Jon Spencer Blues Explosion / Blitz - Tokyo, Japan  20/21  January
Lemonheads / Club Quattro - Tokyo, Japan  23 January /
 On Air West - Tokyo, Japan  24 January
Aphex Twin / Big Day Out Festival - Melbourne, Australia  25 January


FEATURE
NEW NAMES FOR '97

With every New Year comes a barrel-load of new names to discover, so we thought we'd satisfy at least a bit of your curiosity & give you a taste of just some of the artists you'll probably hear a lot more about in the coming year...like it or not!  Plus our guide to what we recommend in 1997.

毎年たくさんのアーティストがデビューし、新曲が発表され、私たちを楽しませてくれます。今回はBEAT UK的おすすめの新人たちを紹介します。

3 Colours Red / Nuclear Holiday
Symposium / Drink The Sunshine
Silver Sun / Lava

シルヴァー・サンは96年にロンドンで結成されたパワーポップバンドで、この頃流行のブリットポップバンドとは一線を画す(ちょいダサともいう)爽やかなメロディーとハーモニーが特徴です。日本でも洋楽番組でこの曲がかかっていたので、当時洋楽を聴いていた方であれば覚えているかもしれません。
96年にSun...! EPでデビューし、97年5月には1stアルバムSilver Sunをリリースします。この曲は96年のシングルで、バンドの代表曲になっています。
日本盤のアルバムジャケットはUK版と異なったアートワークになっていて、日本でもかなり期待されていたのではないでしょうか。
このバンドは人気の下降と共に解散…とはならず、長らく活動を続けていました。しかしフロントマンのジェームス・ブロードが2020年に癌で亡くなり、それ以降活動は止まり解散状態になっているようです。

The Warm Jets / Autopia
Geneva / No One Speaks
Eels / Novocaine For The Soul
Blak Twang / Dettwork SouthEast
Jimi Tenor / Take Me Baby
Gus Gus / Polyesterday

96年10月26日回でも紹介したアイスランドのレイキャビクを拠点に活動する、映画製作のため95年に集まったグループです。バンドというよりは音楽も手掛ける芸術集団で、この頃は9人所属の大所帯でした。このPVも自分達で製作しているかも知れません。
この曲が収録される2ndアルバムPolydistortionは97年4月にリリースされます。


BEAT UK'S NEW NAMES FOR '97
Air
Adventures In Stereo
Belle & Sebastian
Broadcast
Daft Punk
Dakota Suite
Dillinja
Formula 1
Jonathan Fire Eater
Kenickie
Lilys
Mogwai
Novak
The Olivia Tremor Control
Quickspace
The Seahorses
Sophia

ここで紹介された新人群は、後にチャートインするものも結構あります。
また名前だけの紹介にも有望株がたくさんいて、今週チャートインしたケニッキー、ジョン・スクワイアの新バンドシーホーセズ、グラスゴー・インディーシーンのベルセバやモグワイ、フランスからエールやダフトパンクなど、97年の音楽シーンも楽しくなりそうです。


OTHER CHART HIGHLIGHTS
INDIE
The Lightning Seeds / Sugar Coated Iceberg
Liverpool born, bred and based Ian Broudie recently had his single, "All I Want" covered by former Bangles frontwoman Susannah Hoffs.

POP
East 17 / Hey Child
Brian Harvey is rumoured to be leaving East 17 after clashes with chief songwriter Tony, and is planning to return to his original trade - plumbing!


TOP 10
10↓   Madonna / Don't Cry Me Argentina
 9 ↓   Mark Morrison / Horny
 8 N  Terrorvision / Easy

The 10 inch, clear vinyl version of this single has a double groove which plays either the studio or live recording, depending on your preference!
ブラッドフォード産4ピースからのクリア・ビニール10インチシングルには、スタジオ録音・ライブ録音両方のバージョンが収められている。
テラーヴィジョンの96年にリリースされた3rdアルバムRegular Urban Survivorsからの4thシングルで、アルバムからは最後のシングルカット曲です。バンド最大のヒットアルバムとなった今作は最高8位となり、とても勢いのある時期です。
2016年にはアルバムリリース20周年ということもあって、アルバム再現ツアーをやっています。

 7 ↓   Robert Miles featuring Maria Nayler / One & One
 6 ↓   The Prodigy / Breathe
 5 ↓   Toni Braxton / Un-Break My Heart
 4 N  En Vogue / Don't Let Go (Love)

Following a lengthy absence from the charts, En Vogue return with this single from the soundtrack to "Set It Off" which also features the Fugees.
90年代におけるガールズ・グループ群の源流を辿ると、アン・ヴォーグに行き当たるでしょう。個々でどんな曲でもこなせる抜群の歌唱力とモデルばりのルックスは、この時代のガールズグループのお手本でもあります。スパイス・ガールズもアン・ヴォーグを手本にしたグループです。
この曲は久々の新曲で、96年の映画Set It Offのサントラ用に製作されたもので、既にアメリカでは大ヒットしているシングルです。
既に5年ぶりとなるアルバム制作にも入っていましたが、ドーン・ロビンソンが契約上の問題で4月に脱退し、3人で録音し直したため3rdアルバムリリース予定が若干遅れることになります。
今回旧公式サイトでこちらの日本語説明がありませんでした。

 3 ↓   Spice Girls / 2 Become 1
 2 N  Orbital / Satan   PVなし

The original video for the Hartnoll brother's 10th "Satan" contained a series of satanic images that were deemed unacceptable for TV broadcast.
ハートノール兄弟10番目のヒットとなるこの曲のオリジナル・ヴィデオは、悪魔的なイメージを含んでいるため、テレビ放映には適さないとされた。
オービタルのSatanはキャリアの最初期から存在する曲で、今回リリースされたバージョンは「Satan Live」というものです。新たにライヴPVが製作されましたが、演奏する背後の映像に使用されたものの中に放映にふさわしくないものがあったようです。この頃はPVの準備が出来ていなかったので流れなかっただけかもしれませんが、タイトルがSatanだからサタニズム的な何かが入っていたのかな、という感じではあります。
この曲は97年の映画「スポーン」のサントラとして使われ、映画のTVCMでもこの曲が使用されていました。実写版スポーンのサントラは、ロック(メタル)とテクノのアーティストがコラボした意欲作で、個人的に大好きなサントラでした。


ON STAGE
Placebo / Bruise Pristine

前半と同じく、Phoenix Festival '96からのステージです。こちらは同じ映像が…おっと、右上のロゴがアレですね…!


NO.1
     N    Tori Amos / Professional Widow (It's Got To Be Big)

New Yorker Armand Van Helden's reworking of Tori's latest single, "Professional Widow" has helped make it both a UK dancefloor and chart hit.
ニューヨーカーArmand Van Heldenとの共同作業によって、このシングルは英国内のナイトクラブ、ヒットチャートの双方を賑わせている。
アメリカのシンガーソングライター、トーリ・エイモスの3rdアルバムBoys for Peleからのシングルです。
元々この曲は96年8月にHey Jupiterの両A面曲としてシングルカットされていましたが、同時期にこのクラブミックスバージョンがアメリカでヒットし、12月には英国でもリリースされました。
このミックスの大ヒットにより、3rdアルバムにこの曲が追加されたバージョンが再発され更なるヒットに繋がりました。
タイトルにもなっているProfessional Widow、直訳すると「プロの未亡人」となりますが、これは暗にニルヴァーナのハート・コバーンの未亡人であるコートニー・ラブのことを示しているという説があるそうです。



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